歴史を変革したスティーブジョブ Part3
子どもの頃、雑誌である記事を読んだんだ。さまざまな動物の移動効率(transfer efficiency)を計測したものだった。クマとか、チンパンジーとか、鳥とか、魚とか、もちろん人間も計測されていた。一キロあたりの消費カロリーを含めて比較してあって、一位を獲得したのがコンドルだった。人間の順位といったら下から三分の一あたりだったな。しかしそのとき自転車に乗せてみようじゃないかということになって、自転車に乗った人間の移動効率を計ってみた。
そしたらもう圧倒的で、コンドルなんてぶっとばしていたよ。いまふりかえると、この記事はぼくの出発点だったかもしれないな。人間は道具を作る能力を持っている。そしてその道具を使うことによって、人間の能力は劇的にパワフルになる。パソコンはまさに人間の能力をパワフルにする自転車なんだ。
移動効率だけじゃない。一人一人がもっているあらゆる能力を、劇的にパワフルにしていくんだ。パソコンはおそらく人類が生み出した最高の発明の一つだと思うよ。歴史を変革していくこの道具を手にして、新しい時代を創造していく時代に生まれたぼくはほんとうに幸運だった。
対話編
A このコラムはスティーブ・ジョブズよね。
B そう、彼が語っていることが要約されている。
A 翻訳ソフトはまさに自転車なのよね。
B これまでの英語学習って、テクテクと歩いていくことだったけど、結局、みんな挫折していく。アメリカまで海の底を歩いていけっていうような勉強だものな。
A 翻訳ソフトという自転車に乗れば、だれもと言わないけど、そのペダルを一生懸命こいでいる人は、英語を話せるようになるかもしれないってことね。
B この翻訳ソフトを装填した《草の葉メソッド》は、まさに語学教育の革命ということになる。
A でも、この革命をおこすのは大変よね。
B そうだね。英語の先生たちは、翻訳ソフト禁止だ。こんなものは絶対に使うなって生徒たちに言っている。
A それはどうしてだと思う? こんなに便利なのに。
B 日本の英語の先生たちって、文法教育というカルト教団の熱烈な信者たちだからと思うんだよ。
A すごい指摘ね。
B 文法教育こそ英語学習の王道だと思っている。その信仰を捨てることができない人たちなんだ。文法を学んでいくことが、英語を話せる人になれるという信仰だよ。
A そうかしら。先生たちはもっと醒めてると思うわよ。生徒たちが英語を話せるような人間になるなんて幻想だってことに。
B そうだな、当然だよな、とにかく日本人は英語が話せない民族なんだから。
A そんなことが分かっているのに、なぜ英語の先生たちが文法英語の授業に、そこそこの情熱を注ぐことができるかというと、受験のためなのよ。
B 高校受験、大学受験のためだな。
A そう、だからあなた流に言えば、日本の英語の先生たちは、文法教育と受験教育のカルト教団の信者たちだっていうことね。
B 君も痛烈だよ。
A それともう一つ、先生たちが翻訳ソフトを嫌悪するのは、未完成品だからだと思うわ。単文はわりと正確に翻訳されてくるけど、複文になるともう絶望的な英語になってでてくるでしょう。
B いま自動車メーカーは、ものすごい資金を投入して、無人自動車の開発を行っているけど、翻訳ソフトの開発も大規模な予算を投入して、国家的プロジェクトとして取り組むべきだね。
日本の英語教育をコペルニクス的転換させようとするコラムです。毎日連続で打ち込まれます。この革命的ムーブメントに参加してください。あなたの力を貸してください。
1 「もう無駄な英語教育をやめてください」
2 「苦悩する日本の英語教師」
3 「英語が話せるようになった」
4 「歴史を変革したスティーブ・ジョブス」
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