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第25回 ほんまる神保町の棚主として

 さて、2024年(令和6年)9月19日(木)に、ほんまる神保町の棚主限定イベントとして、今村翔吾さんが「出版業界の現状」を話されました。


 当日、僕は仕事の都合もあり、リアルタイムで、お話を聴けなかったので、アーカイブ配信で、後から視聴しました。
 今村翔吾さんは「出版社」「書店」「取次」「作家」について語りました。
「出版社」については、帝国データバンクが発表した「3割の出版社が赤字」という話題を出して、説明されました。
 このデータについては、「第24回 ほんまる神保町の棚主として」でも触れているので、ご確認ください。

 出版社が粗製濫造であることは、間違いなく、出版社側から言うと抱えている社員の給料分を稼がなければならない。そして、下手な鉄砲も数うちゃあたる!できていたのも事実。
 ただ作ったから取次店が、全部前払いしてくれるというのは、一部特権階級の出版社のみなので、中小出版社には、いわゆる新刊委託の内払い、条件払いというのがなく、作った本を請求できるのは、新刊委託の場合、6ヶ月後で入金は7ヶ月後となります。例えば、10月1日に本を作って、取次の新刊口に入れると、そこから6ヶ月後、来年4月25日に請求し、5月末に入金となります。(但し、新刊委託ではなく、注文分として納入した分は当月25日請求の翌末入金)その間も、新刊を作り、紙代、印刷製本費、印税を払い、社員の給料を払わなければならないので、大手と中小出版社では、資金繰りの面でも相当な違いがあり、出版社と、一括りに論ずることは、できません。
 今村翔吾さんは、文芸作家、小説家であって、大手出版社との、お付き合いが主だと思いますので、中小出版社のこうした現状も、踏まえたほうが良いなと、今日の配信を聴いて思いました。
 さて、次回の棚主限定配信は、10月30日(水)19:00〜20:00
講師は、京都のふたば書房の洞本社長とのこと。今村翔吾さんの書店経営の師匠とも言われていたので、どんなことを話されるか今から楽しみです。

9月20日の文化通信のニュース

JPIC調査 15道県24市に「書店無し」 全国の書店数は7828

 毎度、お馴染みの出版文化産業振興財団(JPIC)の調査。なんだかなぁーと言う感じで見ています。カウントダウンしていると言うか、数字が減っているのを楽しみにしているとは言いませんが、この数字をネタに書店危機が語られるのか!と思うと、数字の発表は、1年に1回で充分。だって数字は2024年3月末と書かれています。ちょっと遅くない?発表するなら、もう少しスピードアップしようよ。 
 と言いたくなるのは、日本出版インフラセンター(JPO)が、2024年9月18日更新データを公開していて、そこでは、書店の店舗数10,660のうち坪数登録7,866と発表しているのです。

 それよりも、古いデータで、7,828店って、ドユコト?
 ちなみに図書カードが使える書店は、2024年8月31日時点で、6,682店です。
 えー!じゃあ何を信じればいいの?確かな書店データって、存在しないのか?はい。存在しません。JPOが発表した「書店マスタ管理センター」の中には、いわゆる独立系書店(およそ800店舗)が抜け落ちているのです。アーメン❗️

銭湯かと思いきや…あの下駄箱に靴を入れて入店する「本屋」が高円寺にオープン

本屋❌風呂屋はあり❗


 前回でも話しましたが、風呂はないけど、下駄箱や番台がある本屋さんが高円寺にオープンしていました。
 靴を脱いで、ゆったりと本を読む。また万引き抑止にもなる。良い事例ですね。

トーハンYouTubeチャンネル「出版区」登録10万人突破!

 おめでとうございます!と言いたい❗️
取次店として、努力した結果だと思います。
 一方、日販のSNSは脆弱だと思います。
トーハンの「オンライン書店e-hon」のフォロワー数に対し、日販の「Honya Club」のフォロワー数は、桁違いの差がありますね。
 日販は、帳合店のためにも、もっとがんばってください💪

トーハン、日本出版貿易へのTOB成立

 再びトーハンのニュースです。

トーハンは30日、東証スタンダード市場に上場する日本出版貿易<8072>のTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。買付代金は12億900万円で、トーハンの所有割合は82.07%となった。日本出版貿易は上場廃止となる見通し。

 日貿(日本出版貿易)をグループ傘下に置く意義は、大きいですね。
 最近は、インバウンド需要で、英語版のコミックが売れる書店もあります。
 日本の書店は、インバウンド需要の蚊帳の外でしたが、海外版のコミックの逆輸入で需要を創出できるといいですね。

渋谷TSUTAYA「推し活の館」に大刷新で客数2倍 
「前例なし」へ挑戦
【MOY大賞】

「SHIBUYA TSUTAYA」が24年ぶりのリニューアルで成功し、MOY(マーケター・オブ・ザ・イヤー2024)大賞を受賞したというニュース。

 このニュースの中で、渋谷スクランブル交差点の通行量は、1日当たり30万~40万人とされ、実に約10人に1人がSHIBUYA TSUTAYAを訪れている計算とあるように、1日当たりの来店者数は、リニューアル前の2倍となる4万人とのこと。
 また来店客のうち、海外旅行客が4割を占めると言ってます。つまり、外国人客数は、1万6千人という事になります。確かに「スターバックス コーヒー SHIBUYA TSUTAYA 2F店」は、外国人が多く満席(100席)状態でしたね。
 改めて、調査したいと思います。

学研HD、講談社こども教室を買収 幼児教育拡充

 学研のニュースが多いですね。攻めてるようにも見えますが、買収や合併は守りだと僕は思います。

本の学校出版シンポジウム
10月27日(日)開催です❗️

本の学校出版シンポジウム2024 in東京 
本と地域をめぐる「あの話」
10月27日(日)12:00〜
専修大学 神田キャンパス 7号館 3階(東京都神田神保町3-10-1))
※ライブ配信はありませんが、アーカイブ配信あり(事前申し込みの方に視聴用のURLを後日ご案内します)

■第1分科会 12:00~13:30
書店と図書館にできること―地域を耕す、読者が生まれる 
藤坂康司氏(名古屋市守山図書館・志段味図書館)
栗澤順一氏(さわや書店)
井之上健浩氏(久美堂)

■第2分科会 14:00~15:30
著者・出版・書店の垣根を越えて ― 「軽出版」その可能性の中心
仲俣暁生氏(文筆家・編集者)
竹田信弥氏(双子のライオン堂)

■第3分科会 16:00~17:30
街に書店が在り続けるためには~未来への提言~
小島俊一氏(元気ファクトリー)
大井実氏(ブックスキューブリック/NPO本の学校)
長﨑健一氏(長崎書店)

■交流会
時間:18:30〜
会場:神保町ダイニングカフェ「エスペリア」 (千代田区神田神保町2-4 太平電業ビルB1)
参加費:6,000円(税込)※フリードリンク

主催:NPO法人 本の学校
共催:BOOK MEETS NEXT実行委員会
後援:書店新風会・専修大学・日本雑誌協会・日本出版学会・日本書籍出版協会・日本書店商業組合連合会・日本図書館協会・版元ドットコム(五十音順)

 僕も参加します。
でも、衆議院の総選挙とかぶりましたね。

経済産業省が
「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を発表

経済産業省では、街中にある「書店」は、多様なコンテンツに触れることができる場であり、創造性が育まれる文化創造基盤として重要であるという認識の下、令和6年3月に「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げ、関係者との車座対話等を通じてヒアリングを行い、「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表します。
本「課題(案)」については、令和6年10月4日(金曜日)から同年11月4日(月曜日)までの間、パブリックコメントを行います。
また、中小企業庁の支援策などを整理した、「書店経営者向け支援施策活用ガイド」及び、各地の経済産業局が、全国約30店舗の書店にヒアリング行った「全国書店ヒアリングでの声」についても公表いたします。
経済産業省としても、今回の課題の整理を通じて、政策の検討を本格化させていきます。

経済産業省ニュースリリース

https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241004002/20241004002.html

https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241004002/20241004002-1.pdf

本「課題(案)」については、令和6年10月4日(金曜日)から同年11月4日(月曜日)までの間、パブリックコメントを行います。
また、中小企業庁の支援策などを整理した、「書店経営者向け支援施策活用ガイド」及び、各地の経済産業局が、全国約30店舗の書店にヒアリング行った「全国書店ヒアリングでの声」についても公表いたします。
経済産業省としても、今回の課題の整理を通じて、政策の検討を本格化させていきます。

「書店特有の課題」を29項目あげているが、その解決策が些末すぎる。
 パブリックコメント真剣に考えようかな!

つづく

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