ボードゲーム紹介④:大きさ比べ
好きなボードゲームを人にもプレイしてもらいたいというお節介。
今回は『大きさ比べ』というバカゲーを紹介したい。
私が「バカゲー」というときは基本的に褒め言葉だ。
大きさ比べについて
このゲームはあり、かたつむり、かえる、はりねずみ、きつね、しか、くまの7種類計61枚のカードを12枚ずつプレイヤーに配り、手札を最初に無くした人の勝ち、というゲームだ。
設定としてはきつねくんが開いたパーティに動物たちがくるから、その順番を当てよう!というものだった気がする(うろおぼえ)。
手番ではまず場の中央にあるカードの動物と比べて、自分の裏向きになっている手札の一番上のカードの動物が、「大きいか」「同じか」「小さいか」を宣言する。大きさの順序は最初に述べた順番だ。
当たっていれば続けて同様のチャレンジを行える。好きなタイミングで止めてもいいが、続けて外れた場合は出した順に自分の手札の下に戻す。
はりねずみの王国
このゲームでは7種類の動物のうち、ありとくまを除いた5種類のカードが多めになっている。
なので、やり始めるとまぁまぁの確率ではりねずみかきつねと大きさを比べることになり、体感50%くらいで外れる。
さらに言うと、この場の中央のカードがずっとはりねずみ、みたいな状況がよく起こる。次々と各プレイヤーがはりねずみに挑戦を挑んで敗北を喫することもあれば、最初のはりねずみをくぐり抜けた安堵感で走り続けていると思わぬ伏兵にやられてしまうこともある。
はりねずみはこのゲームにおける王様だ。場の支配者なのだ。
大袈裟だと言うかもしれない。でも是非やってみてほしい。
この世で最も恐ろしいものは大きなクマでも、集団になったありでもない。
ニヤニヤと腰に手を当ててこちらを見守っているはりねずみだということが痛いほどよく分かると思う。
記憶力ゲーム?いいえ、バカゲーです。
このゲームについて記憶力のゲームだ、という説明は部分的にはあっていると思う。なので間違えたところまで動物の頭文字を繋げて覚える方法は非常に有効的だろう。
また外れることを見越してうまいところで止めて、なるべく短い回数で手札を減らし切るのも戦略の一つだ。はやる気持ちを抑えて未来の自分に期待するのだ。
だが、考えてほしい。このゲームは順序さえ当てればいいはずだ。
理論上ワンターンキルも可能なはずだ。しかも麻雀の天和のような天文学的確立の話をしているわけではない。
つまりこのゲームで重要なのは記憶力でも戦略でもない。第三の能力だ。
エスパーが勝つ
このゲームはエスパーが勝つ。
求められるのは憎きはりねずみをくぐり抜けられるエスパーだ。
一度最初のターンに3枚めくり、二ターン目に8枚連続してめくることができた。その時の場のカードはもちろんはりねずみだった。
あと一枚で全てが繋がる。そして確立的には上か下を宣言するのがセオリーだ。ただそのときの私ははりねずみのニヤけた口元を見逃さなかった。
そして高らかに宣言した。
はりねずみの勝ち誇った顔に泥を塗りたくって見事勝利した。
大きさ比べはエスパーが勝つ。
というのは少し言い過ぎかもしれないが、楽しむためにはエスパーを身につけることも必要だと思う。なぜならこれはバカゲーであり、バカゲーは楽しむためのものだ。勝ちは二の次なのだ。
さいごに
ボードゲームは楽しまないと仕方がない。特にこの手のあっさり終わるゲームでせこせこと勝ちを狙っても楽しくないだろう。
そうであれば、カードの頭文字を繋げて動物の順番を覚えたり、きつねやはりねずみが出てきたら止めたりするよりもやることがあるはずだ。
そうだ。私ははりねずみに死刑宣告をしてやらねばならぬ。次の客人がお前と同族なのだと。そしてその客人を私は心から憎んでいるのだと。
だから今日も明日も明後日も、私は場の中央で腰に手を当てて挑発するはりねずみに向かって言うのだ。
「同じ!」と。
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