ジャンプのMMA漫画第十話🤼
レスリング最強かと思ったがそうではなかった…。
やっぱり「総合格闘技」なのでレスリングのみが通用すると言う話ではなかった。
余りにも理論的というかセオリー通りで教科書的であっさりとレスリングが否定されてしまった。
少し前のRIZINで堀口恭司がカーフキックをお見舞いしたところで試合の展開がすっかり変わったことによりみんな使うようになった。
RIZINだけでなくK-1でも使い始めてボクシングの選手も何故だか真似するようになったキックである。
相撲で言うところの向こう脛に近しいものだろう。
10年前だったら流行った必殺技“三日月蹴り”である。
三日月蹴りは菊野克紀が格闘技で使い始めたもので正式には「腸蹴り」と言うものらしい。
三日月の軌道を描くような滑らかな前蹴りで相手の腹を突き刺す技の一つである。
これが成功したのでその時もまたみんな真似し始めてK-1でも他のキックでも使い始めるようになっていった。
菊野も堀口もバックボーンが空手なのでそうした珍しい技を御披露目することもあるのだろう。
とは言っても、空手最強かと思ったら日本人はそのUFCの頂点にすら届かない…。
空手をバックボーンとしたUFC王者はいたが日本人ではない…。
アスミカケルの前の漫画の火ノ丸相撲でチヒロが「よく知らねえベルト」を獲得したと火ノ丸の夢朧の中で語っていたが、日本人が横綱になるよりも遙かに難しいものである。脱線するがチヒロは無差別級の相撲の土俵に上がったことがあるが恐らくヘビー級(93-120kg)であることは間違いなさそうだが、わざわざライトヘビー級に落とすような姑息なことはしないだろう。
UFCは特に厳しくて、負け越しの選手は直ぐにリリースしてしまう。
どんなに他の国と比べて高い下駄を履かせて貰っても、日本人は結局その好待遇に見合わずに放逐されてしまう。
高い下駄とは言っても日本は相変わらず格闘技王国なのでUFCはそこを見逃さない。
この主人公の二兎が果たしてUFCまで行けるかどうかは分からないが、体格からしてフェザー級~フライ級と見てもいいが、そこまで悠長は出来ないだろう。そもそも何度も言って来ているがこの漫画は格闘技ではなく介護漫画なのである。
どうもこの漫画は主人公二人で行くような両輪の体制で進むのではと思われる。
男子のUFC王者は余りにもハードルが高い。
階級を考えなければボクシングでは容易に世界王者にもなれるし、キックボクシングも世界王者になれる。キックはローカル化が激しいがほぼ頂点であるGLORYにも嘗て日本人世界王者が存在していた。
二兎が格闘技を始めたのは兄貴である一狼に対する反撥からである。
余りにも出発が薄弱であり、これは守りのようにも見える。
兄貴が帰って来たらMMAを辞めそうだ。
そこまで考えるようなフラグを設置するだろうか?
しかし、格闘技に限らず女子アスリートは結婚したらスポーツを辞めてしまうのである。
女子の場合は目標と実生活を天秤に掛けた場合実生活の方を選んでしまいがちで、スポーツに限らずともこの傾向は強い。
スポーツが平穏な社会で営まれる証拠であり、自由だからこそ選択できる余地もある。
もう一人の主人公である奈央の場合は二兎と比べても親に対する反撥を発条にして突き進んでいるようにも見える。
なんかこういう二頭体制のようなダブル主人公体制、あったな。
アオのハコという漫画だ。
主役を二人にして各々の立場が営まれるクロスオーバー的な展開を描く。
二人だけでなくとも高校生家族は一家が主人公なので家族のメンバーそれぞれの立場が描かれていた。でもこれやり過ぎると取っ散らかってしまうという弱点を持つ。
二兎が表向きな主役であっても陰の主役の奈央を支えるような展開がバレてしまったらこの漫画はどうなってしまうのだろう。
主役なのに嚙ませ犬という最悪な作品になってしまいかねない。
日本人初の世界最高峰MMA団体王者を出そうとするなら現実的には女子の方が近いのだろうが、このままでは二兎が主役なのにヤムチャになりかねない…。
来月に待望の1巻が出るらしい。
アンケートで中位の人気があっても結局単行本が売れなければ打ち切りの憂き目に遭ってしまう。
最低でも1年の壁を越えて欲しいところ。