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空想短歌


桜がね咲いているよときみの声きのうも聞いたよあすも教えて
2023.03.14

春踊るそよ風くるくるみなみ風きみの隣で浮かれ風
2023.03.15

薄墨を空に降らせて日溜まりの影を作って若葉を飾る
2023.03.17 with AI

陽炎もアイスクリームの夢を見る夏草茂る単線の先
2024.07.27

音咲いて春の続きの老桜にブローチ残す薄羽の客
2024.07.25

白菊の一輪挿しと天藍のお皿に乗せる粒餡こし餡
2024.07.21

雪雲を入れてあります魔法瓶フタを開けたらかわいそうかな
2024.07.21

相容れぬあなたと私の汗ならね空の彼方で寄り添うみたい
2024.07.21

結び葉で遊ぶ光は炎天に緑揺らして空に泡立つ
2024.07.21

燦宿り風も木陰を動かない蝶の羽ばたきさえも響かぬ
2024.07.08

濾過された言葉集めて香り摘む宝箱には破棄した言葉
2024.07.08

虹のあさ大気を融かす青もみじ砂糖たっぷりカフェオーレ飲も
2024.06.30

青空に銀糸を散らす蝉の声 見えるあなたは聞こえるわたし
2023.08.03

七夕

役目終え朝帰りする笹の群れ葉っぱの陰に短冊隠して
2024.07.08

千年後夜空は天の川のこと何語で歌っているのでしょう
2024.07.07

縁側に星の砂子のかき氷お代は笹の葉三枚です
2024.07.06

文月の星の川には短冊を夜の鏡に舟を映して
2024.06.30

まだ早い道路に落ちた片方の手袋きっときみを待ってる
2024.10.20

金のふで風を掴んで空に舞うポロポロ落ちる銀の実拾う
2024.09.23

秋の実は二つに割ると美味しいのきみと食べても独り占めでも
2024.09.23

永久の眠りが来たら連れてって彼岸花咲く星と風の地
2024.09.23

茜空おなじ時空の赤蜻蛉シダの記憶を宿す複眼
2024.09.23

リンリンとビロード空の夕暮れにアスファルトにも草の陰にも
2024.09.21

傘なくし深山の夜を一人行く雨が降ったり星が降ったり
2024.06.30

知ってるよ雨の降る日は好きじゃないだけど僕だけ少し嬉しい
2023.03.15

雨上がり飛行機雲と花吹雪シャッター押すからきみに届いて
2023.03.18

燻らせて金曜夜のタンブラー本の狭間に栞の切符
2024.07.27

他の

山歩き光と音を文字にして折りたたんではポッケにしまう
2024.10.28

目を閉じて音に潜って息を吸い砂の吐息で貝殻染める
2024.10.23

真夜中の木漏れ日ふいに瞬いて目の奥に咲く虹の花見た
2024.10.21