「大枠をつくる」ということ
今日は設計を進めて行く上で意識すると便利な考え方(設計以外にも適用できます)について書かせていただきます。
向き不向きはあると思いますので、考え方の1例として読んでいただけたら嬉しいです。
エスキスを重ねる度に混乱してしまう
エスキスは建築学生であれば誰しもが経験していると思います。
私たちよりも知識や経験が豊富な方の意見はどれも「魅力的」に聞こえてしまいますよね。
そんな中、意見されたことに対して謎の信頼を抱き、そのまま採用して失敗したことや、複数の意見全てを取り込もうとして失敗したり、どの意見が1番適しているのかで悩んだ事ってありませんか?
また、事例を調べて見つけたアイデアを上手く落とし込めず、中途半端な仕上がりになったことは?
コンセプトばかりを考えた結果、形にならずに終わってしまったことは?
皆さん何かしらの失敗経験があると思います。
そこで紹介するのが「大枠」です。
大枠をつくる
先程並べた失敗に対しての対策、自分の設計の説得力を向上させるための考え方が
「大枠をつくる」ということです。
大枠とは簡単に言ってしまうとコンセプトです。
ただ、そのコンセプトを「大枠」として考えることがポイントです。
大枠の効果1
コンセプトを大枠として考えることで、エスキスで貰った意見が自分の枠の中に入るものなのか、はみ出てしまうものなのかを考えることができます。
要するに、自分の提案に合った意見を取捨選択しやすくなるということです。
大枠の効果2
事例で見つけたアイデアについても同じ考え方ができます。
事例が自分の大枠と似た枠組にあるのか。その場合どの部分が大枠の中に入り、どの部分が大枠からはみ出てしまうのか。
これを考えることで自分に適した要素だけを抽出し、落とし込みやすくなります。
大枠の効果3
コンセプトだけで終わってしまう方は、コンセプトが膨らみ過ぎている、1番大事にしたいコンセプトが複数あることに気がついていない人が多いと思います。その結果コンセプトがまとまらずに手が止まってしまいます。
大枠で考えることで、無駄にコンセプトが広がることを防げます。
また、実際に設計を進める時にも「大枠」がしっかりあれば、その空間や手法は自分のコンセプトに合っているのかを自分で確認することが出来ます。
主観的に作った「大枠」を利用することで客観的に見ることができます。
終わりに
このようにコンセプトを「大枠」として扱うことで、エスキスでの混乱や間違った事例の落とし込みを防ぐことができます。
その結果、一貫性と説得力ある提案をすることができます。
この考え方は設計以外の事にも応用できます。
良かったら意識してみてください。