手抜き介護 150 ごみ箱を買いに
実家の台所の、ペダル式ごみ箱が壊れて3か月ほど。先月母と新しいものを見に行ったのだけど、手ごろなのが見つからなくて保留になっていた。昨晩、「明日、買いに行く!」というのでいよいよ満を持してと思ったら、今朝になって「やっぱり行かない」とのたまう。
病院と違ってマストなお出かけではないから、体調の悪さがブレーキをかけるようだ。また先送りだなと思っていたら、「アンタ、買ってきて」といわれた。「円形が無かったら」「大きさは」「色が選べるとしたら」と好みを細かく聞いて、バスの時刻を調べた。ホームセンターまでは、バスを乗り換えないと行けない。
乗り継ぎができるのか父に訊いたら、「できるだろうけど、やり方は覚えていない」という。運転手さんから乗り継ぎ券をもらっている場面なんか見たことないなと思いながら、バスの営業所に電話してみた。
「路線バスの乗り継ぎって、出来るんでしょうか」
「出来ますよ。別々に料金を払ってもらうことになりますが」
「乗り継ぎ券を、運転手さんからもらうんですか」
「いえ。運賃表の料金を、それぞれで払うだけです」
それは、乗り継ぎとはいわない。単なる乗り換え。「出来る」「出来ない」の問題でもなく、普通に乗車している風景。若い声だったけど、「何バカなこと訊いてるんだ」と思ってるんだろうなあ。
ごみ箱は、ほぼ希望通りのものが見つかった。容量は同じなのに、2㎝ほど背が高くなる分、並べると少し大きく見える。母が小さく「あっ」と言った。「前より大きいものは要らなかったのに」と思っているのが分かった。でも出てきたセリフは「大きさが、違うんだね」だった。最近の母は、私に少し遠慮している。
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