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手抜き介護 121 脳トレ

今日は父の通院日。約束の30分前に実家に行ったら、老夫婦のいびきが交互に聞こえていた。母ならとっくにスタンバイOKで私に「遅いね」というところだけど、父はまだ準備した形跡もない。

が、何のきっかけもなく5分ほどで起きてきて、着替え始めた。その気配で母も出てきて、着ていくシャツはそれじゃない、保険証はあるかマスクは持ったかと世話を焼き始める。母がコーヒーの用意をしているうちに、タクシーが来る時間になった。

母「もう出るの? 10時半って言ったじゃない」
父「診察時間が10時半だ」

明日何時かと訊かれたら、普通は出かける時間を答えるものだろうけど、診察時刻を言ったようだ。父にしたら、いつも先回りで追い立てられるのがイヤで、遅い方の時間を告げたんだろう。

診察の1時間前には採血があるので、9時半までに病院に着く必要がある。タクシーは9時20分に予約した。家から病院まで、車ならちょうど10分。父にすれば完璧なスケジューリングだが、母から見たら信じられないタイトさだ。これはイライラするわな。こうして長年確認し合ってきた感覚のズレが、今や相手をまく脳トレとなって好効果をもたらしているように見える。

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