手抜き介護 66 お餅とおにぎり
老健施設に勤める知人の話。
入居者のお婆ちゃんを、家族が病院に連れて行った。予定通りに診察を終えた帰り道、コンビニで昼食のおにぎりを買って車内で食べた。お婆ちゃんが喉つまりを起こしたので、慌てて近くの病院に向かったが、間に合わずそのまま―
施設では、おにぎりは禁忌だという。ノリが絡みついて食べにくいから、とのこと。お餅が出ないという話は聞いたことがあるけど、おにぎりもダメなんだ。もしかしたらそのせいで、外出した機会に食べたかったのかもしれない。食事制限もなく、元気なお婆ちゃんだったそう。辛いなあ。
自分ならどうかなと考える。おにぎりは、なかったらなくても良いけど、お正月にはやっぱりお雑煮が食べたくなるだろうなあ。ちくわぶくらい入れてくれたら、我慢できるかな。先の知人の施設では、年末イベントとして餅つきをするのに、そのお餅はふるまわれないらしい。だったら余計なことするな!と私なら暴れたくなる。
アラ90の両親は、普通にお雑煮を食べている。特にお餅を小さく切ることもしていない。材料を用意して、作って、後片付けして、の作業は大変だけど、自分の気持ちのままに食べられるに越したことはない。施設入居の話が、出ては消える大きな要因になっている。
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