手抜き介護 136 こんなところで、布団干し
ホテルの朝食会場がいつになく空いていて、宿泊客の少なさを思わせた。お客側としては、もちろん少ない方がゆっくり食べられて良い。客筋は工事関係者など出張で来ているらしい男性が多く、割と早朝に仕事に向かう。
今日は親の通院日でもないので、実家にはちょっとゆっくり行くことにした。チェックアウトは10時。連泊だから何時に出ようがこちらの勝手なのだけど、9時過ぎに部屋のドアを開けると、廊下によく積んであるリネンの山が、今日はなかった。
4階からいつも通り階段を使って降りようとしたら、手すりに布団が広げてかけてある。ずっと、1階まで。こんなところで、布団干し! 斜めだから、滑り落ちないようにクリップ付き! こんな風に干した布団を、またランダムに戻してる?
普段は10時過ぎてからする作業を、前倒しでやっているようだ。お客さん、まだいるんですけど。夜部屋に戻ってきたら、ベッドはいつも通りパリッと整えられていた。この掛け布団は…と思ったけど、余計な想像はしないで黙って寝ることにする。