手抜き介護　132　柔軟剤のパワー

実家の玄関を開けたら、強烈な甘い匂いを感じた。独特の人工感から芳香剤かと思ったけど、靴箱の上には私が置いた消臭ビーズしかない。部屋に入っても、匂いは続いた。ヘルパーさんに、何か買ってきてもらったんだろうか。

母がデイサービスを止めるきっかけになったのが、「臭いと言われる」ことだった。今は足浴のサービスを受けているし、靴下を脱ぐとき気になっているはず。臭い消しのために、それを上回る何かを置いてるのかなと思いながら洗濯の準備を始めたら、柔軟剤が同じ匂いなことに気づいた。

私は作った匂いが苦手なのでいつも無香料を使うのだけど、そういえば前回母があまりに気にするから「消臭効果が長く続く」というようなのを買ったんだった。前のが切れて、新しいのを使い始めたタイミングらしい。これ、こんなに匂うの？！　原因は、私だよ！

干してある洗濯物に鼻を近づけたら、間違いなく出元だった。この匂いの中で、この先数か月暮らすのかあ。当然ながら自分の洗濯物もその色に染まるわけで、自宅に帰ってカバンを開けたら、まだその残り香が楽しめた。柔軟剤、恐るべし。