飼っても揚げても
個人スーパーの店頭に、「飼っても良し!揚げても良し!」というポップを見かけた。何のこと? 一瞬「(人に)あげても」の間違いかと思ったが、そうではなかった。りんごやトマトと並んで置いてある水槽には、十数匹のサワガニ。飼っても楽しいし、揚げてもおいしい、ということらしい。しばし立ち止まって見入ってしまった。
そういえばこのスーパーでは、メダカを売っているのを見かけたことがある。家族に川遊びが好きな人がいるのだろう、多分。捕まえたサワガニを自宅で飼うのは珍しくないし、隣の子どもに何匹か分けるときもあるだろう。キャンプに行って捕ったなら、BBQにすることもあるかもしれない。でも、何といったらいいのか、このモヤモヤ感。
これ、この先どうなるんだろう。息子が喜ぶだろうと、パパが数匹買っていったりするのかな。新鮮でカルシウムたっぷりだわと、ママが買うのかな。10匹買っていって、5匹は飼って5匹は食べるなんてツワモノがいたりするのかな。
自分が水槽の中のサワガニなら、と思うとこわいこわい。巡り合わせによっては、瞬間の命にもなるし、家族にもなれる。そんなところに晒されているなんて、できれば気づきたくない。カニの眼って、上は見えなさそうだよね。ポップの文字が見えなくて、せめて良かった。
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