手抜き介護　179　盗まれた！

実家に滞在中の兄から、「婆が爺に百数十万盗まれたと怒っている」とメールが来た。お金を取られたという（いいがかりの）話は今までもあるので、その辺を返信に書いていたら、待ち切れなかったようで電話がかかってきた。何やらいつにも増してヒートアップしていたが、ヘルパーさんが来て中断したという。

「お父さんの通帳を確認して。入金になっているはずだから」と言われたと。そんなとき父は全く無反応になるので、母はさらに興奮していく。草方の指図か、とも言っていたらしい。父と結託して自分を陥れようとしているという妄想は、いつも根底に流れている。

兄は父のアスペ傾向が理解できず毛嫌いしていたのだけど、ここにきて少し分かってきたようだ。母のオーダーを、いつも黙って全うしているのにと、同情的になってきた。事件になったりしないかと思ってと言うが、それはもう何十年も前から感じていること。

それでも罵声のぶつけ合いが嘘のように、５分後には普通に２人でお茶を飲んだりするのだ。ヘルパーさんが帰った後、何もなかったようにいつもの昼食が始まったと、ビックリ顔付きメールが来た。今日はこの後訪問リハビリもあるし、お腹いっぱいになったら忘れてるかもね。