札幌で家を売る⑰終 引き渡し
【2】引き渡しの、長い一日
引き渡し当日の最終的な手続きは、多くの場合、融資銀行の一室を借りて行います。が、今回はそれが店舗を持たないので、売主側の取引銀行を借りました。当日は融資実行、登記手続き、実際の引き渡しと、込み入った一日になるため、多くの場合朝イチで始めます。
移転登記の書類や固定資産税の清算、印鑑証明など、机の上は重要な紙の山です。まずは、融資実行の確認から。先方はスマホ着信で融資の実行を知り、こちらは紙の通帳を持ってATMで記帳します。入金の確認をしたら、司法書士が登記の代理手続きに法務局に向かいます。これは、同日にしなければならないことになっています。
固定資産税は、1月1日に所有している人宛てに請求が来ます。私たちもすでに払っていたので、引き渡し日以降の分を日割り計算して清算しました(契約内容により、違う場合もあります)。
すべての手続きを終えて現地に行くときは、すでに先方の持ち家になっています。玄関先で、どちらがカギを開けるかを軽く譲り合い、みんなで「お邪魔します」と言いながら中に入りました。建築時の図面や設備関係の説明書は、一か所にファイルしてあります。私たちも、これで本当の見納めです。
残る仕事といえば、必要なら翌年の確定申告があります。これは、不動産を売ることで利益が発生した時などに行います。今回の件は、買った時より売った額の方が小さいので該当しませんし、仮に利益があったとしても個人住宅なら3000万円までの特別控除の制度があるので、一般的には不要のケースが多いと思います。ウチも、翌年税務署から届いたハガキに申告不要の旨を記入し、終了しました。
さて、そんなわけで私たち夫婦は今、それぞれ賃貸生活です。夫の定年後、また家を買うことがあったら、「〇〇で家を買う」なんてストーリーを綴ることができれば、と思っています。長い話にお付き合いくださり、ありがとうございました。