手抜き介護 154 衣替え
「私の買い物、見せてあげる」と母が差し出してきたのは、1400円の値札が付いた薄手のカットソー。自分はこんな安物で我慢してきたという、アピールだ。でも色も柄も質感も同じようなもの、ほかに50着はあるよね。
靴下は、多分100を超えるだろう。もちろん、汚れたり破れたりしているものが含まれているわけではない。ウチの母、足何本あるんだ?
寒い日が続くようになり、2階にある上着を下ろしてほしいというので、真冬用の厚手ダウン以外のコート、ジャケット、ジャンパーなど、まずは10着ほど持ってきた。当面着るもの以外は戻しておきたいところだけど、ほとんど「要る」という。冬物ズボンも、然り。さすがに「冬スカートは要らないよね?」と訊いたら、「履きたいけど、今のところは」とのこと。
寝室のハンガーポールが、たわみ始める。慌てて半袖は全部外したが、何せカサが違って場所が足りない。母的には、もう2階に上がれないから、何でも手元に置いておきたいみたい。
仕方なく、父の衣類を2階に押しやることに。もともと父は2セットもあれば、ひとシーズン過ごせる人だ。そうして並んだ自身のワードローブを見て、母が「私、衣装もちなんだね」と言った。良い言葉だな笑。気づいてくれて良かった笑笑。