非定型骨折の話 ⑩超音波で刺激する
術後2週間近く経ってようやく尿導管を外し、超音波治療が始まった。前に骨折した時も使ったことがあり、治療自体は痛くもかゆくもないのだけれど、母は効果を訝しがって途中で止めていた。
もともとは、動物の中でも骨折の治りが早いネコに注目した研究者が、のどのゴロゴロにその原因があると突き止めたことによるらしい。ゴロゴロに相当する超音波が、骨の修復機能を刺激して、治癒を早めるというものだ。
超音波は、骨折しているところにピンポイントで当てるため、あらかじめ皮膚にマジックで場所をマークする。少しでもズレると、意味がないという。ところが前回は、数日過ごすうちにマジックのマークがなぜか2か所に増えていた。どちらも同じ濃さで、正解の見分けがつかない。看護師さんにそれを示すと、「ホントですねえ」と言い、しばらく見比べて「えい!」とばかりに一つを選んだ。えー!!
母からは「ティッシュを大量に使うから、5個パックを持ってきて。ウエットティッシュも」と連絡があった。超音波の器具をつける前に、ゼリー状のものを皮膚に塗る。それをぬぐい取るためだ。いわれるままに運んでいるけど、5箱も一度に。。。置く場所あるのかな。そういえば実家はどの部屋も、モノであふれている。