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手抜き介護 169 父の靴

「氷の上でも滑らない」という噂の靴を、昨年末見に行った。店頭に並ぶもののうち一つを手にしたら、奥から女性が出てきて「それ、スタッドレスタイヤを履いて歩いているような感じなんです」という。

その前に見ていた冬靴の4倍ほどの値段なので即決できず、いったんその場を去った。いろいろ試して改めて気づいたのだけど、私は足が大きく外反母趾なので、デザインから選ぶことが出来ない。とりあえず、サイズが合うもの。ほかの靴屋さんにも立ち寄りながら候補を絞っていったら、やっぱり最初のが良さそうに思えてきた。

店ではまた同じ女性が出てきて、「それ、スタッドレスタイヤを履いて歩いているような感じなんです」という。初めて聞いたように調子を合わせながら、また履いてみて購入。これが、本当に滑らない。靴裏に金具がついているタイプは、外では滑らないけど建物内では逆に滑りやすかったりするのに、滑らない。

父用にも一つ欲しいなと思って、実家の玄関でサイズを見たら、革靴が25.5と長靴が26。意外と小さいな。一応本人に確かめようと訊いてみると「28」と答えた。え? 改めて靴箱を探ったら、27も27.5もある。範囲、広すぎ! これはあれか。与えられた軍服のサイズに自分を合わせるという、旧日本軍方式か。

こんな感じなら簡単に決まりそうだと思ったら、実家のマチではそのメーカーの取り扱いがないことが分かった。シーズン初めの、決まった期間だけキャラバンでやってくるらしい。何てこった。通販を利用する手もあるけど、メンズものはがっちりしていて重いから、高齢者向きなのか実物を見てみたい。人の買い物って、ホントに難しいなあ。


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