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東北電力 女川原発再稼働に反対!  鶴岡市議会での討論 2024.9.27

東北電力 女川原発再稼働に反対!討論 
2024.9.27 鶴岡市議会での討論。



東北電力女川原子力発電所の再稼働を行わないことを求める意見書の提出について 市民の声鶴岡を代表して賛成の立ち場で討論します。
女川原発2号機は、2024年11月頃の再稼働を目指していると報道されています。
この原子炉は、1995 年稼働29年稼働の、爆発事故を起こした福島第一原発と同様のリスクをもつ沸騰水型原子炉であります。
女川原発は、我らが鶴岡市から150kmに位置します。
 先般も東北大、地震、津波研究の権威、今村文彦先生の講演を聴く機会がありましたが、地震大国日本は、今、どこでいつ地震が起きてもおかしくない、地震活動期であります。
能登半島地震では、もし、珠洲原発が建設、稼働していれば福島原発事故以上に甚大な被害が引き起きたのではないかとの指摘があります。女川原発にも、更に絶対に事故が起こらないという保証はどこにもありません。
万が一の事故が起きた場合、その影響は計り知れず、この鶴岡市にも危機が訪れかねないのであります。

この意見書やこれまでの討論において、特に地震・津波のリスクの事が詳細に述べておられましたので、私は、原発再稼働が認められない、他の理由についても意見したいと思います。

SDGs先進都市である、鶴岡市は、持続可能社会を目指していると思いますが、持続可能な社会のための 発展の定義として、スウェーデンの学識者が開発したナチュラルステップの定義があります。

その定義には4つのシステムの条件があり。
1) 地殻から掘り出した物質の量が増え続けない
2) 人間が創り出す物質の濃度が増え続けない
3) 自然が物理的に劣化しない 生物多様性の尊重
4) 人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げない。
というものであります。

原子力発電は持続可能性のこの条件4つすべてに違反しています。
再エネであっても、立地場所が適切でないと3や4に違反することになります。
スウェーデンでは92の自治体がこの定義を自治体の総合計画に反映し、エココミューンとして再エネをはじめとした持続可能な開発に注力しているのであります。

原発については、ドイツ政府が、2011年の日本の原発事故をきっかけに2022年度までの脱原発を表明し、バックキャスティングアプローチにより、当時17基稼働していた原発を次々と廃止し、昨年2023年の4月15日に原発0を実現しました。

 現在再エネ率は50%超えています。

この間、このエネルギー革命 エネルギーベンデ により、ドイツの巨大企業シーメンスは、原発事業を辞め、風力発電をはじめとする再エネ事業に舵を切り、労働者はグリーン産業への移行がおこなわれました。
 火力発電や原発の雇用から再エネ雇用への転換を、雇用や地域経済への影響を最小限に抑えながらおこなう事を公正な移行といいますが、ドイツ政府は2011年から10年で約200兆円もの投資をして公正な移行、エネルギー転換を進めてきました。

 現在再エネを中心にグリーンニューディールによる持続可能な雇用や経済が生み出されています。
今、アップルを筆頭に大手企業はRE100を謳い、グリーンな再エネ100%電力しか使いません。サプライチェーンにもそれが求められているため、TSMCも再エネ100%を目指し、そのためもあって、現在台湾では洋上風発がどんどん建設されているのであります。これが世界の経済のトレンドであります。
 原発の電気は、サステナビリティを追究する世界の企業や自治体のニーズではないのです。

 その為、原発に投資する企業もほぼ皆無であります。よって国、政府が後ろ盾しなければ成立しないのが原発の現状なのであります。

 原発に固執する日本政府の姿勢は、血税をムダにするだけでなく、世界の潮流であるグリーン経済の芽を潰し続けているのであります。

2011年、爆発事故の際には、政治、官僚、業界、学識者、報道の癒着構造という、原子力ムラでつくられた安全神話が取り沙汰されましたが、13年しかたってないのに、原子力ムラや安全神話は復活の様相であります。喉元過ぎれば暑さ忘れる、になっていないでしょうか。

 今なお、一歩間違えれば首都圏までもが甚大な放射能汚染の危機にさらされた、2011年の原発事故の教訓を胸に、この9月に女川で約30年ぶりに再稼働反対のデモをおこなった女川、宮城の市民をはじめ、市民社会に立つ学識者、弁護士、裁判官、議員らは、原発反対を唱え続けております。
 気候危機を救う方策としても、原発依存は答えではない、というのが国際的に市民社会の常識となっています。

今、我が国は、エネルギー基本計画の改正時を迎えていますが、政府は原発依存からの脱却を図り、持続可能な発展の定義を満たすエネルギー転換を果たすべきです。
 具体的には、22 km以上の離岸距離を確保し、海洋空間計画MSPを定めた上での浮体式洋上風力発電の開発や、建築物の壁や窓への太陽光パネルの設置など、再生可能エネルギーへの重点投資を行い、公正な移行とグリーンニューディールを通じて経済を立て直すべきであります。

2012年7月16日、私も参加した代々木公園のさようなら原発10万人集会で、目の前で『フクシマの後に沈黙しているのは野蛮だ』。これが私の信条です。と発言され、昨年2023年3月28日に他界した、元YMOの国際的な音楽家、坂本龍一さんは亡くなる直前の3月11日に、新聞各社にメッセージを送っております。読み上げます。

2011年の原発事故から12年、人々の記憶は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ。
いや、むしろ時間が経てば経つほど危険性は増す。
コンクリートの劣化、人為的ミスの可能性の増大、他国からのテロやミサイル攻撃の可能性など。
なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう。
ロシアによるエネルギー危機を契機に、ヨーロッパの国々では一時的に化石燃料に依存しながらも、持続可能エネルギーへの投資が飛躍的に伸びているというのに。
わが国では、なぜ未完成で最も危険な発電方法を推進しようとするのか分からない。
発電によってうまれる放射性廃棄物の処理の仕方が未解決で増えるばかり。
埋める場所もない。
事故の汚染水・処理水も増えるばかり。事故のリスクはこれからも続く。
それなのに何かいいことがあるのだろうか。
世界一の地震国で、国民を危険にさらし、自分たちの首もしめるというのに、そこまで執着するのはなぜだろう。
以上。

絶対にフクシマを忘れない。地震、津波、老朽化などによって生じる爆発や放射能汚染などの命のリスクを未然に防止するととともに、地球の環境を守り、持続可能な発展、経済を実現したい私達は、この女川原発の再稼働を認めません。女川原発の再稼働中止を強く求めるものであります。
議員皆さんの賛同を求めます。
以上、この意見書提出への賛成の討論とします

なお、意見書は以下のものです。

東北電力女川原子力発電所の再稼働を行わないことを求める意見書 


 
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、原発の持つ重大な危険性を国民の前に明らかにしました。
 福島県の多くの人たちは、放射能汚染から逃れるため避難生活を余儀なくされ、人々の将来にわたる健康と生活のみならず、農林水産業及び自然環境などにもはかり知れない打撃を与えました。
 世界有数の地震・津波国である我が国に多数の原発を立地させてきた政策を根本から転換するべきです。 東日本大震災の震源地に最も近い東北電力女川原子力発電所は、全3基の原子炉が緊急停止し、屋外重油貯蔵タンクの倒壊、タービン建屋の高圧電源盤での火災をはじめ、トラブルが多発し、外部電源1系統のみで冷却を継続するなど、深刻な事態に陥り、危機一髪の状態でした。女川原発は、事故を起こした福島原発と同じ古い型の原発であり、何度も基準地震動(※原子力施設の設計に際して想定する最大の揺れ)を超える地震に見舞われた「被災原発」です。

さらに今年1月の能登半島地震では、動いた断層は約150km(地震調査委員会)とされていますが、北陸電力は志賀原発の審査の中でこれを96kmと過小評価していました。今回の能登半島地震は、海底探査の限界や不十分さ、活断層の連動可能性を評価することの困難さを、事実をもって突き付けたと言えます。
この知見を踏まえて、全国の原発の沿岸海域で、断層の再調査、連動可能性(その規模や長さ)の再評価、それに基づく基準地震動の再策定が必要になっています。さらには「震源を特定せず策定する地震動」の設定値の妥当性も問われます。
女川原発の沿岸海域にもいくつもの活断層があることがわかっていますが、海域断層調査の範囲はわずか30kmであり、まったく不十分です。活断層の見落としはないのか、陸域を含めて連動可能性が過小評価されていないか、非常に懸念されます。女川原発沿岸海域の断層の再調査・再評価、プレート間地震・海洋プレート内地震を含めた地震動の再評価等が不可欠であります。
また、能登半島地震では延長100km近くにわたって最大4m隆起するという、驚くべき地殻変動がありました。地震時地殻変動(隆起、沈降等)に対する原発施設の安全性についても、能登半島地震から得られる知見を踏まえた再検証が必要です。

又、能登半島地震は、地震・津波と原発事故の複合災害時に被ばくを防ぐ対策の困難さ、とくに半島部にある原発の地理的リスクを、現実のものとして突きつけました。このことは、牡鹿半島の付け根に位置する女川原発にもそのまま当てはまります。
さらに原発の重大事故時には、モニタリングポスト等の放射線量率の測定値をもとにして住民避難を指示することになっていますが、能登半島地震では装置の損壊や停電による欠測が多数発生し、適切な避難指示が出来ない等、総じて、原子力災害対策指針とそれに基づいて策定された住民避難計画が、地震によって起こる原発事故にはまったく対応できないことが露呈しました。能登半島地震から最大限の教訓を引き出し、それを踏まえた原子力災害対策(屋内退避、広域避難等)の抜本的な見直しを行うことが不可欠です。能登半島地震が突き付けた課題を直視して、女川原発の原子力安全(原発の耐震安全性)、原子力災害対策(屋内退避、広域避難等)を抜本的に見直す取り組みを早急におこなうことを完遂することなしに再稼働は認められません。

つきましては、何よりも市民、県民の生命、財産及びかけがえのない故郷を守るため、東北電力女川原子力発電所の再稼働を許さず、再生可能エネルギーを最大限活用する政策への転換を求めるものです。

 
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。

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