はじめて二次創作の漫画同人誌を描きたい人が考えること
サムネは一年前に出した同人誌。
今思えば我ながらよくこのクオリティで出せたなと思うけどそれは上達の証ということで……
この記事を見ている人が同人誌、ひいては漫画媒体で描こうと思ったきっかけってなんでしょうか。
推しの話を、推しカプの話を、推しグループの話を形にしたい!
こういう話が描いてみたくなった!
せっかくイベントがあるから便乗したい!
とかまあ色々あると思います。
そしてそれだけでなく、普段から漫画を描き慣れてる人、イラストメインで描き慣れていない人など、前提ポイントも更に枝分かれすると思います。
同人誌を作るにあたり、印刷所のことを調べたりそこから納期を考えて作業のスケジューリングすることはとても大切ですね。
ただ個人的に、二次創作をはじめとした漫画同人誌においては割と重要なことがあると思います。
特にイベント開催などの勢いで飛び込みたいけど漫画同人誌はじめてで右も左も……という人には大事なのではないかなと。
それは、描きたいものから、漫画同人誌の形式を割り出すことです。
私は漫画同人誌において
①ストーリー形式
②短編集形式
③オムニバス形式
の3パターンが主にあると思っています。
(もちろんこれに限らないのもあるかもしれませんが)
ストーリー形式はそれこそ商業で言う「読み切り漫画」のように一本筋の話ですね。
喧嘩したりすれ違ったりして、紆余曲折して仲直り、といったものが王道でしょうか。
ストーリー形式のメリットとしては、大筋のところは「喧嘩して仲直り」のような一本のネタから一つの話が作れるし、何よりしっかり推しの物語を描いている、読んでいるという気持ちにさせてくれることですね。
シリアスめな話は特に描きたい情報や濃度からもほぼほぼストーリー形式になってしまうのではないでしょうか。
デメリットはとにかく話が大きくなるゆえにしっかり描ききるのが大変、あと何より最終手段としてページを減らしたりカットしたりという奥の手がほぼ使えないと思われるので、他二つよりやり切る覚悟が求められます。
短編集形式はそれこそ1〜2ページで完結したものの詰め合わせや、4コマ集が当てはまりますね。
こちらは〇〇する△△、などのネタそのものがぽんぽん出せる人向け。
そして一つを割と短い中で〆る力量ないしは思い切りが求められるので、ギャグ路線だったりスピード感のある作風の人、うるせえ今日も推しが可愛い〜完〜。が出来る人におすすめ。
オムニバス形式は上二つをそれぞれゆるくして、一冊(本文28ページほどを想定)の中に2,3個くらいの話を入れるもの。
ストーリーものを描いてみたい気持ちもあるけど、いきなり壮大なものはちょっと……という人にはコンパクトに漫画が描けて案外おすすめかも、というか私もオムニバス形式と短編形式を得て、今回夏コミの原稿ではじめてストーリーものを描くようになりましたので。
また、話と話の間のページに箸休めと称して、小ネタ漫画や1コマ漫画・イラストなどを挟みやすいのも魅力。
短編とオムニバスにも、前提として更に「夏の話」とか一貫した大テーマがあると、統一感あって気持ちよかったり、本のタイトルや表紙が作りやすかったりすると思います。
でもまあ◯×◼️いちゃいちゃ♡でも一貫したテーマといえばテーマですよね。
あとはストーリー×短編/オムニバスというのもります。
例えば、
①プロローグ→キャラAが謎の薬で赤ん坊になってしまった!そこにいたBとCとDはどうする?
②Bの場合
③Cの場合
④Dの場合
⑤エピローグ→Aは無事に元に戻った、散々振り回されたBCDは……
というように、大まかな開始と着地が決まっていて、その真ん中を色々こねこねするパターン。
この編はこの子やこの組み合わせをメインに描くんだ!というメリハリがやりやすいので、3人以上が登場してかつ、見せ場を作りたいならこの形式もかなりアリなんじゃないかなと。
色々語ってきましたが、特に慣れてない時に漫画同人誌を描きたい人に大切なのは、
自分が何を描きたいのか、そしてそれにはどの形式が向いているのか。
を見極めることだと思います。
◼️◼️な〇〇を描きたい!〇〇が△△する同人誌欲しいけど言い出しっぺだから自分で描くよ!というように、そのあたりが決まってるなら、そのテーマがどういう形式なら映えるのか。自分が描きやすいのか。
イベントもあるし〇〇の同人誌出したい!なら、自分はどこに舵を切ればいいのか。何が向いているのか。
忍耐のストーリーか、ネタ量の短編か、中間取りのオムニバスか。
描きたいものを描けるよう、自分で満足できるよいものが出せますように。