ホテリ・アアルトの旅
半年前に予約した、裏磐梯にあるホテリ・アアルト。
当時はまさかその冬に夫が海外転勤になるなんて想像もしてなかったなあ。
不妊治療クリニックの予定とも被らず、お天気にも恵まれて、夫の転勤前最後の2人旅。
1日目
移動
朝は東京駅から東北新幹線で郡山へ。
夫は通勤電車のような誰も喋らない空間では静かにしていたいタイプ。
一方私は、どんな場所であれ変わらず喋りたいタイプ。
電車内で何度か夫に話しかけても塩対応されてイラッとしたので、私も静かに本を読むモードに切り替えてずっとむすっとしていた。
新幹線に乗り込み、夫が通常モードに戻った。一方私は静かモードを引きずってしまい、牽制し合って無言が続く。
痺れを切らした夫が話しかけてくれて、やっと私も通常モードに戻れた。
お互い電車内でのありたいモードが違うのは分かってたつもりでも、毎回やってしまうこの無駄ムーブ。反省。
五色沼
気を取り直して、郡山駅から車で五色沼へ。
約2時間かけてゆっくりコースを歩く。
この美しい場所を「自然」と表現するのが良いのか、よく悩む。自分も「自然」の一部であるだろうし、「自然」と「都会」などと区別するのはナンセンスで、その境は限りなく曖昧だと思ったりする。
でも、そんなことどうでもよくて、この日見た五色沼一帯は、空気が柔らかくて、いい香りがして、気持ちよくて、好きな色がたくさんあって、飽きなかった。
ここで見つけた色の組み合わせを使って、いつか洋服を作りたいなーと漠然と思う。
そんな技術もないし、この世にこれ以上洋服を生み出すつもりもない。だから単なる夢だけど、今度スケッチくらいしてみようかなー。
ホテリ・アアルトへ
そしてこの旅行のメイン!
ホテリ・アアルトへ到着。
夫が雑誌で見つけてきた、小さな沼が見える北欧テイストの宿。
控えめに言って最高だった!!
奮発して、目の前に沼が見える温泉付きのお部屋に。
小さな沼は、水が澄んでいて、見る時間帯によって雰囲気が大きく変わっていった。深夜は真っ黒で絶対に近づきたくないと思うような怖さ、早朝はモヤがかかっていて幻想的。どちらも、凍てつくような寒さが伝わってきて、あったかいところから眺められる贅沢を噛みしめた。
そしてとにかくこのホテルは、空間全体が素敵すぎる!!
ホテル全体がオレンジ色の照明で統一されていて、どこにいても体の力を抜いてリラックスしていられる。
ロビーやラウンジは、外の景色を切り取って見れるような窓の形をしていて、外の様子もインテリアの一部になっていた。
お部屋へ続く廊下のつきあたりには、小窓とソファがあって、なんとなくそこに座って休みたい気持ちになるし、どこにいても自分の部屋のような心地もする。
階段に貼られたタイル、扉のステンレスのぷっくり丸い取手、白い壁に木枠の窓、などなど。
見たもの全てが頭の中の引き出しに溜まっていって、自分の美意識を構築していく感じ...。たまらん。
ホテル全体がこじんまりしてて、全体で一つの大きな家みたいだったなー。
2日目
ドライブ〜吾妻小富士
チェックアウトぎりぎりまでホテルでゆっくりして、ドライブ!
磐梯吾妻スカイラインを走り、最後は標高約1700メートルの吾妻小富士に辿り着く。
大きな噴火口を目の前で見た。
そこで食べたカツカレー、スパイスが効いててすごく美味しかった!
そして帰宅。
家についてリビングの電気をつけた時、ふわーっと力が抜けて、肩のあたりがあったかい空気に包まれる。
「帰ってきた...」と、なんだかんだ心も体も一番喜ぶ瞬間な気がする。