分かる、というより知っている
私は今THE CREATIVE ACADEMYという、GO三浦さんが立ち上げたクリエイティブディレクター養成塾に通っている。人生できればぬるま湯につかってたい系人間の私が、まさかの超実践コースで超実践的に取り組んでいる。
そんな超実践コース、今日は作家:岸田奈美さんの回だった。
私は今日、驚いて驚いた。なぜなら、彼女の話す言葉、習慣、考え方がわかる、というより知っているに近かったから。
私はいつもiPhoneのメモを感情のトイレがわりにしている。私はすぐにメンタルうんこの便秘になるから、書かないと頭が爆発しそうになる。関西人だからか、外向性という武器を持った内向的人間だからか、常に手持ちのカードを増やすべくあらゆるものを観察しまくっている。おまけに記憶力が異常で、どうでもいい記憶も含めて覚え続けている(喧嘩の時に嫌がられる)。
羽田空港で見かけた女性2人組を、トルコの国内線で見かけたことがある。佐賀の呼子のいかの行列で見かけたカップルを、長崎の軍艦島、そして福岡のとんこつラーメン屋さんで見かけたこともある。日々そのレベルで受信してるので、出さないと本当に頭が爆発する。と思って、iPhoneのメモにどんどん書き溜めている。
気になった言葉も書き溜めている。ラジオで聞いたフレーズ、コンビニで流れていた音楽の歌詞、ミニシアターの入り口に書いてある店員さんの口コミの文章・・・。1日拾ってきたその言葉を集めて、フィクションをつくるのがひっそりとした趣味で、誰に見せるでもなく書き溜めているのでこれは本当にメンタルうんこ。
岸田さんも、iPhoneのメモにいろいろ書き溜めているらしい。分かる、というより知っている気がした。自分の物語を展開する人は、みんなメンタルうんこを積み重ねてる気がする。
私は新明解国語辞典が大好きで、子供のころずっと読んでいた・・・というか、食べていた。そこに在る言葉を食べていっていた。
実家を出てから、一人暮らしの私の家には新明解がない。でも私のiPhoneには新明解のアプリがある。しかも、めくってる感を感じられる最高のUIがある(もちろん簡単に検索できるUIもある)。
あ から、わ までのインデックスが表示されていて、ランダムに開く。そこに出てくる一番気になる言葉をピックアップして、その言葉を使わずにその言葉を説明する物語を書くのにはまっている。ここ1年くらいひっそりとはまっている。それを会社の上司に言ったら、完全に目の中にはてなが見えた。
岸田さんも、ある言葉をその言葉をいかに使わずに書けるかが大事だといっていた。分かる、というより知っている。自分の物語を展開する人は、みんな何度も同じ感情や言葉に遭遇する中で、それを360度×5次元パターンくらいの捉え方をすることで、ありえない解像度を創ってる気がする。
岸田さんは、読書感想文を書いて著者から必ずコンタクトを頂いてきたといっていた。私もクリントイーストウッドが好きすぎて、中3くらいの時にやばい、もう結構歳やし亡くなってしまうかもしれん・・・と思ってファンレターを書いた(まだ彼は健在!)。3年後、大学二次試験の前日にハリウッドから封書が届いた。私は受験のストレスで頭がおかしくなって、謎のオーディションにエントリーしたかと思ったけど、それはクリントイーストウッドからのサイン入りブロマイドという半端ない返信だった(母親が、これで運使い切ったんちゃう?と母親史上最も不謹慎なことを言ったが、翌日の二次試験では解いたことある問題が出て奇跡的に合格した)。
他にも、出来れば責任を取りたくないと思ってしまう短所、喋りすぎてしまう短所、広報の仕事で言葉を紡いでいたこと、ビジネスパーソンとして忖度術を心得ていること、やっぱり人には嫌われたくないと思っていること、愛するが心の中心にあること・・・私のことかなと思った。
分かる、というより知っている。
こういうことが、時々ある。
あ・・・知っている。これ、知っている。
そういう時は絶対に知らないふりをしない、と決めている。
一方的に知っている、そんな岸田さんが、私の提出した課題を1位に選んでくれて、私の言葉が好きだと言ってくれた。
私はこれまで自分の言葉に全然自信がなくて、これまでメンタルうんことしてiPhoneのメモというおトイレに書き溜めてきたけど、そんなうんこを好きだと言ってくれる人が現れた(語弊がある)。やから今日からそのメンタルうんこを公開してみようかなと思った。
27歳、6か月と21日、noteをはじめる。
9月24日はメンタルうんこ記念日。