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㊗デザインのひきだし50号!てんとう虫🐞の斑点箔押しの【ひみつ】に迫る
こんにちは、クルツジャパンのタナカです。
祝🎊『デザインのひきだし』50号👏👏👏ということで、2023年10月発売の特別記念号の『デザインのひきだし50』について紹介します。
特別記念号の『デザインのひきだし50』は、「あなたの会社の一番得意な印刷加工を教えてください!現代日本の印刷加工大全」特集です。クルツジャパンは、当社の薄膜技術加飾表現の紹介をしています。『現代日本の印刷加工大全 実物サンプルBOOK』035枚目に掲載されており、昆虫図鑑の1ページのようなデザインで、てんとう虫の左右の斑点と【ひみつ】の文字を箔押し加工しています。今回はその加工の裏側に迫りたいと思います。
TRUSTSEAL® SFXのひみつ
『平面なのに立体的⁉』というコピーの通り、このクルツの特殊ホログラム箔は柄が立体的、まるで盛り上がっているように見えるんです。でも、さわってみてください。フラット(平面)なんです。
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TRUSTSEAL® SFXは、ホログラム特有の視覚効果により立体的に見える特殊な転写箔です。すなわちホログラム箔自体が、微細なエンボス加工により立体的に見えるように作られています。この技術は、紙幣やパスポートで使われるクルツのセキュリティホログラムの一種で、より意匠性に特化し開発したものです。物理的に印刷面から盛り上がっていないので、スタッキングや輸送時の擦れの心配もいりません。
この転写加工方法は、一般的な金銀箔の箔押しとは異なります。加工には、転写したい箇所で箔送りを制御しながらホットスタンプしていくという、印刷会社の設備や技術が詰め込まれています。
TRUSTSEAL® SFXのホログラム箔自体は高い技術で作りこまれたものであり、さらには転写加工できる印刷会社も限られているため、単に意匠性に優れたデザインというだけでなく、真似されにくいパッケージやラベルを作ることができ、海外輸出向け商材の模倣品対策・セキュリティ対策としても効果的です。
エンボス(浮き出し)加工
エンボス(浮き出し)加工とは、金属板と樹脂版で紙を挟んで凹凸を付け、表面を浮き上がらせる加工方法のこと。この手法で、てんとう虫斑点の左側にホットスタンプをしています。まず一般的なシルバー箔を、TRUSTSEAL® SFXに使用した同じデザインの垂直反転させた箔版でホットスタンプし、その後エンボス加工(浮き出し)を施しています。
触ると、物理的に印刷面から出っ張っているのが分かるかと思います。この凹凸により、光の当たり方が変わるので、キラッと輝く仕上がりになります。
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斑点右側:SFX BUBBLEシルバーホログラム
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ぜひ実物サンプルBOOKで、印刷面が物理的に盛り上がっているホットスタンプ(左)と印刷面には物理的な出っ張りがないのに盛り上がって見える特殊なホログラム箔(右)とを見比べてみてください。
+αのトライアル、後印刷加工
さて、みなさん。箔の上から印刷ができることはご存じですか?
『デザインのひきだし50』で紹介しているものは、シルバー箔そのままのデザインですが、実は箔の上から印刷をすることで、シルバー箔でいろんなカラーのメタリック箔表現をすることができます。今回トライアルしたものを少しご紹介します。
てんとう虫のイメージとして、「斑点模様は黒」がパッと浮かぶものかと思います。TRUSTSEAL ®SFXとシルバー箔のホットスタンプ後に、さらに追加の印刷工程でスミ印刷をしたものがこちら。黒光っています🐞
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こちらは、玉虫色をイメージし4C印刷を施したもの。とてもかわいらしい印象になりました。
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工夫次第で、ホットスタンプもこんなに印象が変わるんです。
いろんなデザインの立体ホログラム箔
今回『デザインのひきだし50』には、TRUSTSEAL® BUBBLEというクルツの汎用デザインホログラム箔を使いました。汎用デザインは他にも、曼荼羅や鳥のくちばしなどのデザインがあります。
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オリジナルホログラム箔は、完全カスタムメイドのデザインで一から作り上げます。ブランドのロゴやモチーフ、キャラクターなどをホログラムデザインに仕上げることもできます。その際、クルツのグループ会社であるOVD KINEGRAMのホログラムデザイナーがお客様のご要望に応じホログラムデザインをご提案いたします。
また、ホットスタンプ箔以外にも、コールド転写箔での供給ももちろん可能です。
【ひみつ】に迫る
ページ上部、【ひみつ】の文字部分のホットスタンプには、角度を変えると2色にカラーフリップする箔、TRUSTCOLOR®を使いました。TRUSTCOLOR®は、セキュリティ分野において偽造防止対策用途に使われています。蒸着箔特有のメタリック発光に加えセキュリティインキと同じ偏光機能を持ち合わせたユニークな製品です。このカラーフリップ効果は、複合機では色変化の再現ができないことから紙幣などにも使われている技術です。
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カラーフリップ箔は全4色で展開しています。
今回使用したのはA02:【ピンク→緑】です。
本来の用途である偽造防止に加えて、加飾用途でパッケージ等をきらびやかに演出することもできます。
ぜひ、『デザインのひきだし50』の実物ページで【さわって】みてくださいね。
~ Special thanks to ~
上六印刷株式会社
株式会社サンデザインアソシエーツ
株式会社竹尾
ツジカワ株式会社