車椅子の父と、北海道旅行 その2
2日目。札幌を出発し、白老村の『ウポポイ』へ。
ウポポイでアイヌ文化に触れる
朝食はホテルでビュッフェ。
父は車椅子のままテーブルに付きます。入口に近い席を用意してもらいました。
さあ、レンタカーで白老村のウポポイへ。
父は読書好きで、歴史や文化に興味があります。
白老村へ行けば、アイヌを感じるなにかがあると考えていた様です。
ウポポイ(民族共生象徴空間)という施設があることも知らなかった様子。
喜んでくれるかな?
アイヌの踊り、歌、言語学者
曇り空の下、車はウポポイに到着しました。まず初めに、伝統芸能の上演を観覧するため体験交流ホールへ行きました。
車椅子の父は最前列ど真ん中へ。
わたしたちもその周辺の席へ案内していただきました。
ステージ奥はガラス張りでポロト湖を囲むきれいな景色が見えます。
ガラスの壁に幕がかかると、ステージの始まりです。
アイヌの衣装を身に着けた人たちの歌、踊り、楽器の演奏。
どのパフォーマンスからも、自然がごく身近にあったアイヌの暮らしを感じます。
次に行くのは、国立アイヌ民族博物館。
父の車椅子を押す係は甥。
父は、展示物の説明を時に熱心に読む人で、甥は父のペースにあわせてゆっくりと館内を回ってくれました。
父は知里真志保という言語学者の存在を知っていたようで、博物館の中で資料をみつけては見入っていました。
アイヌのお家、船、アイヌの言葉
エントランスエリアにある食堂で軽く昼食をすませたあと、伝統的コタンへ。
ここはチセと呼ばれるアイヌの家屋群が再現され、アイヌの伝統的な生活空間を体感できるエリアです。
最初に、ポロト湖の直ぐ水際まで車椅子を寄せて、丸木舟の実演イベントを鑑賞しました。丸木舟、ほんとに細いんです。竿一本であやつるなんて、漕ぎてさん、どんだけバランス感覚いいんだろ。
チセの入口には上り框があり、靴を脱いで入ります。
でもちゃんと車椅子用のスロープもあって、車椅子のまま室内へ入れます。
室内で、口承文芸実演を聞きました。アイヌ語でのアイヌの昔話です。
これを聞いて、父もわたしも、アイヌ語にあまりに馴染みがなかったことを知って、驚いたのでした。
アイヌ語だけではない、な。
九州生れのわたしは、アイヌのことを殆ど知らかったことを知った一日でした。
ここは北国、登別の湯
曇天の海岸線をドライブした先は、今日宿泊する登別温泉です。
今日のお宿は『第一滝本館』。
お部屋は、お布団を敷いて寝るスタイルの和室。
でも父はベッドでないと寝起きが困難。
予約時に確認しなかった私達が悪いのですが、解決策はないかと旅館の人に相談しました。
すると、畳の上に簡易ベットを置くことはできないのでと、ベッドのある洋室を使うことを提案してくれました、
結局、洋室はツインで定員2名、広い旅館で家族が離れた部屋になる不便さが勝り、部屋は変更せず、もとの和室を4人で使うことにしました。
第一滝本館のスタッフの方、忙しいのに本当に親切に対応してくださいました。感謝です。
食事の前にお風呂。とっても広い温泉には、なんと温泉内で使える車椅子が!
おかげで父は、弟や甥にサポートしてもらい楽しいお温泉タイムを過ごせたようでした。
お夕食も、前菜、焼き物、煮物、揚げ物、ごはんにデザートまでどれもとっても美味しかった!
*本日(10/3)の車椅子旅行ポイント*
・ウポポイはバリアフリー完備。どの施設でもスムーズに出入りすることができます。わたしたちは利用しませんでしたが、パーク内を移動するための小さなバスも走っており、車椅子でも利用可能のようです。
・ウポポイの駐車場には屋根付きの、体が不自由な方用の駐車スペースがあります。駐車場の直ぐ側に案内所のような建物があり、車椅子を借りることもできます。
・登別温泉『第一滝本館』の温泉には、浴室内に車椅子がありました。何種類もの湯船がある広い温泉なので、足の悪い方に車椅子での移動は便利だと思います。