部分日食の写真を撮ったよ
「えっ、まだ在庫があるんだ!」2012年の金環日食のとき、ありとあらゆる太陽観測グッズが売り切れたというのに。今回は本番4日前で太陽撮影フィルターの在庫があるではないか。
2012年のときは運良く薄曇りで、デジカメを壊す覚悟で太陽に向けたら、結果的にいい感じに撮れた。今回こそは撮影機材を揃えて悔いのない観測をしたい。
そして迎えた2020年6月21日。やはり生憎の曇り空。特に日食が観れる西の空は絶望的に曇っている。もはや雲のない所に自分が移動するソリューションを発動するしかない。つまり、新幹線に乗って晴れてる所まで行くのだ。
久しぶりの新幹線。文明の利器って素晴らしい。トンネルを抜けると抜けるような青空が広がっていた。これは期待できそうだ。
長岡駅で降りてあらかじめチェックしておいた川原に着く。太陽の撮影は初めてだったが難しいことはない。月撮影の応用でいけばいい。注意点として、絶対に目に太陽光線が直接入らないようにすること。相手はほとんど動かないので、三脚で位置を決めたらマニュアルモードで露出を追い込んで行く。
写真になると白い丸に黒い丸が重なってるだけで、ぶっちゃけフォトショップで作れるようなシロモノだ。それに今回は皆既日食や金環日食じゃなく、部分日食。周囲が暗くなるような事にもならない。
でも違うんだ。絵の美しさじゃないんだよ。地球の100倍以上もある巨大な太陽の前を、地球の数分の一しかない月が通ってゆくんだ。太陽は1億4960万km彼方だというのに、月はたった38万kmしか離れていないんだぜ。この距離感。このスケール感。これを眼前で感じることが出来るのが天体観測の醍醐味なのだ。
17時07分、新潟での最大食を迎える。あえて露出を飛ばして撮ると、光のフレアが月に重なって合成写真じゃないことを伝えられる。
次は2030年かぁ。帰りに食べた新潟名物タレカツ丼とへぎそばが美味しかったです。