やっぱり格好いい先輩たち
〝スポーツ大会、先輩何やるんですか?試合、観に行ってもいいですか?〟
〝私は、バレーボールかな。でも、来る頃には多分負けてます笑〟
スポーツ大会当日
僕は、初めて会うバレーボールのメンバーから〝頑張ろうね!〟とか〝来栖さん、上手って聞いてるよ〟なんて言われていた。
僕は、1個目の試合は出ないグループだったので暢気に先輩の試合を観に行っていた。
先輩は負けてしまったけど、のちに会った時には手を振ってくれたし、仲の良い人たち(であろう人)と楽しそうに喋ってた。
そして、何故か頭に凄い砂が付いていた。
2個目の試合は、僕の出る試合だった。
なんの思いれもないチームにやる気のない試合、〝僕はただ先輩達が観たくて今日ここに立ってるんだ!〟
そんな思いで適当に試合に臨んだ結果、無事負けることが出来た。
そして、歓喜の僕は一番逆サイドのコートへと疾走した。
委員の先輩は、まだ楽しそうに友達と話をしていた。
そんな中で、僕の同輩のT君を一学年上の生徒しかいないこの場所で見つける。
そして、その子が話していたのが委員の先輩たちだったことに気付いた僕は、そいつの元に駆け寄った。
〝おっ、来栖じゃん〟
〝どもでーす、先輩達試合終わりましたか?〟
〝ううん、まだ。次の試合〟
〝本当ですか?間に合って良かったー!私、負けてきました!〟
なんて会話を交わしながら、一学年上の先輩たちの試合を先輩方と観戦した。
そして、いよいよ先輩方の出番が来た。
〝頑張って下さいね、勝ってください!〟
〝まぁ、試合楽しんでくる〜〟
先輩方の結果は、負けだった。
でも、終始楽しそうだった。
最後までボールに食らいつこうとする先輩、いいフォローをして同輩から声援を受ける先輩、ジャンプサーブの格好いい先輩、逆に独特なフォームなのに格好いいアンダーサーブをする先輩‥
どの先輩方も、その楽しそうにプレイしていたのに僕は感動した。
その後も他の先輩を応援しに行って、応援するのはこっち側なのに手を振ってもらったりと僕は一学年の先輩たちをずっと観に行っていた。
帰宅後、無事寝過ごし帰りが遅くなったことを自嘲しながらも先輩に昨日連絡をとった先輩に連絡をとる。
〝先輩、格好良かったです〟
〝負けちゃったけどね笑、ありがとう〟
〝でも、楽しそうだったじゃないですか?もし、そうだったら目標達成ですね〟
そう送ると、泣きスタンプが送られてきた。
僕まで泣きそうだ。
本当に、格好良かった。
試合を全力で楽しんでいる姿。
そして、僕みたいな後輩と話してくれる優しさ。
何もかも含めてかっこよさすぎる先輩たちだ。