名作ボディコピーを味わう時間2日目-死ぬのが恐いから 飼わないなんて、言わないで欲しい。-
毎日一つずつ「名作ボディコピーを味わう時間」と称して、
好きなボディコピーを紹介していきたいなと思います~!
勉強のために手書きで読みづらい部分もあるかと思いますが、、そこはどうかごゆるりお付き合いただけますと幸いです。
第2回目のボディコピーは、こちらになります!
広告主:日本ペットフードさん
コピーライター:児島 令子さん
2004年
これを読み解くと・・・
犬を飼わない理由あるある→でも本当に飼わない理由の一つに、「死ぬのが恐い」ってありませんか?→犬と過ごすことは悲しいことではなくて、一緒に楽しく暮らす経験をする幸せなこと→日本ペットフードなら、犬と楽しく過ごすために飼い主ができることがありますよとブランドを紹介(最後に初めて広告主が登場)
個人的学びポイントは2つで、
①時代を捉えるってこういうことなのかもしれない
2003年:ペットとして飼われている猫と犬の数(1922万頭)がついに日本の15歳以下の子供の数(1905万人)を上回りました。
この広告が出た2004年、空前のペットブームでした。
ブームになると問題も起きてきます。悪質な業者や、無責任な飼い主…
そんな中で出たこの広告は、犬と過ごす素晴らしさを単純に伝えるものではなくて、素晴らしさとともにそれ相応の覚悟が必要だと思わせてくれる。
時代の流れを読み取りつつ、何が本質で大事なのかを問う。これをきっかけに改めて考えた人もたくさんいるのではないかと思いました。
②あえて広告主は最後の最後に出すストーリーだからこそ、素直に聞ける
今回のボディコピーの主語は、第3者(企業でもなく、ユーザーでもなく)なのではないかと思いました。最後の企業パートは、です/ますなのに、それ以外は、である/だ、と話し方が違います。
他の誰でもない第3者っぽさがあるからこそ、お説教感や他人事感がすくなくて、伝わってくる力が大きいのではないかと感じました。
手紙を読んでいるようでした。
ほかにも、レトリックやリフレインによってより深く届いてくる、という部分はありますが。
レトリック:物事を伝える際言い回しを工夫することによっての相手の感情に訴えかける方法
リフレイン:歌や詩、文章などで同一句による繰り返し表現。
「すごく生きている。すごく生きているよ。」で、たくさんの思いがこみ上げてきました。。
思えば、汚すのが嫌とか、留守にしてかわいそうだとか、すべて人間の一方的な決めつけでしかなくて。ペットにするという行為すら良くないのではないかという意見もある中で、それでもペットを飼いたい、共に歩みたいというならそれを謳歌したいし、しなきゃなあと。
実はわたし自身も犬を飼っていて
死ぬのが恐いということが痛いほどわかります、
愛する犬がいなくなった悲しみが小さくなる、薄れていくことがあっても、消えることはないです。
でもそれ以上に、一緒に過ごした経験が、自分に勇気を与えてくれるんだとも感じており、改めて犬とともに生きる幸せ、命の尊さを優しく思い出させてくれるコピーでした。
児島令子さんについては、野原さんがTCCで執筆したリレーコラム『児島令子さんは癖になる①②③④』が面白いのでのぞいてみてください。