
アラサー日記vol.2:書くことは、自分を自分で救うこと。公募で失恋エッセイを出すまでの話
失恋しました
掲題の通りです。笑 いまでこそ、語尾に笑を付けられるけども、そりゃもう失恋の日はショッキングトゥーマッチで、一瞬で1㎏痩せるくらいご飯は食べれず、涙は止まらず、夜は眠れずでした。
この悲しい気持ち、やりきれない気持ち、なんなら怒ってる気持ち、でもありがとうと伝えたい気持ち。などなど、心の準備ができていない数時間もない別れ話にはあらゆる感情が渦巻いて。整理できないまま、その日を終えたのです。
別れ話の夜、あまりにもつらすぎて自暴自棄になりそうな気持ちをぐっとこらえて、ただひたすらに私は書いた。何を思っているのか。
書くことは、自分で自分を救うこと
本当の気持ちって難しい
頭の中で考えるだけではまとまらない、友達と話してもまとまらない。
そもそもまとめる段階じゃないんだ。まずは、どう感じて、何を思っているのか?の洗い出しが必要だった。
洗い出すために書いてみた。書いてみる、伝わるかどうかは置いといて。本当はどう思っているのか、どう感じるのかを一生懸命ひも解く。
そうやって、ドロドロした感情に蓋をしないこと、怒るべき時は怒ること(もちろん相手にぶつければいいってもんではないってわかってるけど)、涙が止まらないときはその分泣けばいいこと。わかっていても一朝一夕にはできない。友達にはアドバイスできるのに、自分がやるにはなかなかに手ごわい。
私ってこんなに自分の気持ちを見つめてあげることが下手だったのねとようやく理解した。子供のころはもっと自由だったはずなのに――。
小さいときに覚えた嘘
三人姉妹の真ん中に生まれて、両親は仲が良く愛情を注がれていたと思う。ただ、下の妹は一つ下で大きな病気をしてから体も弱い子だったのでなんとなく両親は妹にかかりきり。私は近所の人に面倒を見てもらっていた記憶がある。そんななかで「人見知らず」を身に着けた。真ん中っこというのは上の失敗を見て、下の失敗を見て、器用に育っていくという説は当たっている。長女と三女の喧嘩に挟まれて、妥協することもすぐに覚えた。私の誕生日ケーキの苺ですら、妹にあげてしまう、それでよかった。妹が泣いて悲しがるくらいだったら、私は我慢できるから。
誰にも文句は言わせない
小学校に入り、何も気を遣わずに生きていたら、地域のミニバスケットボールのチームで嫌な目に遭った。初めての大きな試合の日に私だけウィダーインゼリーをもっていかなかったことでチームメイトの母親にこっぴどく叱られ、しまいには母が中国人だからダメなんだわというとんだ差別発言。(ウィダーインゼリーの話初耳だったのに)超悔しかった、なんで一回のミスで母のことを悪く言われなきゃいけないんだって。後から思えば、私は途中から入ってきたのにたまたま副コーチに気に入られててそれがずっと気に食わなかったみたいで、普段の練習中もなんか嫌なこと言われてたなと思いだした。今回のお説教も、いつもの嫌みの一つでしかなかった。
小さな頭で考えた私の解決策は、誰からも文句言われないほど完璧になること、そうしたら母の悪口は言われないと思って。勉強もしたし、スポーツも頑張ったし、学級委員もやった。優等生だけだと反感を買うので、ことばづかいはわざと悪くして、男子と同様の悪ふざけをして校長室で怒られる、そういったこともそつなくやった。(気がする)
中学も高校も大学も、そうやって自分なりの、誰にも家族の悪口なんて人種差別発言なんてさせないと躍起になった結果、本当の気持ちを言わなくなってきた。
いつかは限界が来る
好きなものがあっても、どっちでもいい。だって、私はどうせ大概のことはどっちでも楽しめるから相手が喜んでくれるほうに合わせたい。(ホラーはNG)それが自分の幸せだと思っていた。でもそういうコミュニケーションは、相手にも伝わっている。本音を言ってほしいと言われたことも多々ある、でも言えない、だってわからないし、怖いから。本当の自分で向き合って、それでだめだったら?
今回の失恋は、これだけが原因ではないけども。遅かれ早かれ、人と向き合う前に、まず自分と向き合いきる必要があるよね、と教えてくれた出来事なんだと思う。もう悲しすぎて、ともかく言葉にして整理しないとやってられなくて。でも、書いて初めて、「あ、私怒ってるんだ」ってわかった。せっかく付き合ったのに、一人で全部自己解決されちゃったことに怒ってるんだって。気持ちに気付いてから少し落ち着くことができた。それから、仲の良い友達に書いた内容をシェアして、感想をもらったり、共感してもらったり、アドバイスをもらったりでさらに整理して昇華を目指した。
伝わるように書く
友達には切実な気持ちをそのまま見せたけども、今度はエッセイコンテスト応募用に書き直した。彼と私の関係性や情景がわかるようにとアドバイスしてもらったので、いいねと言ってもらったフレーズを冒頭に持ってきた。伝わるように書き直す中で、少しずつ気持ちがまた整理されていく。とことん、自分の気持ちに向き合ってようやく彼の視点や気持ちに寄り添えるようになってきた。
綺麗ごとを伝えるんじゃなくて、素直な感情をぶつけるんでもなくて、本当の気持ちを一つずつ言葉にしていく。その中で流れるたくさんの涙は流し切った。大雨の、いや、嵐のような涙が心の悲しみも怒りもすべて包んで洗い流し切った後、見上げる未来にはきっと虹がかかっている。
書いてよかった。
いいなと思ったら応援しよう!
