牛の幸せを考える>#6 牛と新たな価値
私、牛が好きなんです。
前回の話から、1つの仮説ができました。
今回はここの深掘りをしていきたいと思います。
必要性を作る
ここで私が考えている「価値の低い牛」というのは、「ジャージー牛のオス」と「経産牛」です。
もちろん、もっと視野を広げたら、もっと幸せとかけ離れている牛さんがいると思います。(例えば世界とか)
でもまずは、私が実際に見たり聞いたりしたことのある、「ジャージー牛のオス」と「経産牛」というこの2頭にについての幸せを考えたいなと思います。
ジャージー牛のオス
私が牛を好きになったきっかけの牛がジャージー牛だったことと、牛の中でも特にジャージーが好きな私にとって、このジャージー牛のオス問題はとっても気になります。
生まれてきたときは同じ「いのち」なのに、
ジャージーだから、オスだから、
そんな理由で「いのち」の価値が一瞬で変わってしまう。
家畜の世界では当たり前なことですが、気がかりではあります。。
「#3 牛と牛の幸せ」で紹介した、放牧舎さんは、
ジャージー牛のオスを放牧で育てて販売しています。
「番外編 仔牛肉を食べた」で紹介した、森林ノ牧場さんは、
ジャージー牛のオスをミルクのみで飼育し、販売しています。
どちらも放牧の子牛、ミルクで飼育された子牛という希少性が、新しい価値になっていると思います。
そしてなぜオスのジャージー牛を育てているのかという、背景を想いと一緒に伝えることも価値になっていると思います。
経産牛
経産牛とはお母さん牛です。牧場で何度もお産を繰り返したお母さん牛は、子供が産めなくなったら、出荷されてしまいます。
お母さんとしての役目があった時は、生きていられるのに、
その役目が終わってしまったら、出荷される。
牛はペットではないので、当たり前ですが、扱いの違いに、悲しくなります。。
近年、経産牛肥育という言葉がよく聞かれるようになりました。
経産牛肥育は、役目の終えたお母さん牛をもう一度、育てて、お肉としての価値を高めて出荷することです。
今までは、どこのどの牛のお肉かわからない状態で消費者にとそいていたのですが、お肉の価値を高めることで、ここのこの牛さんというように区別されて売られるようになりました。
新しい価値
新しい価値を作ることで、その価値が他の牛との区別になり、愛情を込めていただいてもらえることになる。
子牛の時点で食べられてしまう子牛は本当に幸せなのか、
牧場で子供を産み続けているお母さん牛は幸せなのか、
このような観点から見ると、この価値をつけることが、
牛の幸せに繋がるかわからなくなってくる。
ただ私は、牛に感謝し、愛情を込めて牛肉をいただきたい。
そう考えた時に、このように価値のついている牛肉を食べることが、この気持ちを消化させる手段として、ぴったり合うということ。
なんだか牛の幸せを考えているのに、結局は人間都合なところからは抜けられないものなのか。
やはり家畜として飼う以上、このループからは抜け出せない。
つづく
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