舌痛症とファンギゾンシロップ:その2
口腔カンジダ症を原因として舌痛症を治療してくれる歯科医院で処方されたファンギゾンシロップ。実は、もともと別の理由で試してみたいと思っていた薬だった。
私が舌痛症を発症する1年以上前、44歳のあるとき、右手の小指の第一関節が急に痛くなった。安静時は全然痛みはないが、バッグなど柔らかいものに押し付けられたり、後ろや横におされたりすると激痛が走る。
1週間後にはもう片方の小指の第一関節が痛くなった。すると1か月後もしないうちに、すべての手・足の指の第一関節も痛くなった。キーボードやエレベーターのボタンを押すときズキンと痛みが走る。ついでに、ひじ、肩、膝、股関節なども痛むようになった。どれも安静時は痛くないけれど、重みがかかったりすると痛む。
これはリウマチか?と思い整形外科で血液検査とレントゲンを受けたが異常なし。ただ医師には、左右対称に痛みが出ていることから、今は未病状態で、いずれリウマチを発症するかもしれないからという、「リウマチ予備軍」という診断を受けた。炎症止めと痛み止めのために、ロキソニンを毎日飲むよう指示された。
ロキソニンをはじめとした痛み止めは胃粘膜を荒らすので、出来れば常用はしたくない。自分がリウマチかどうかもわからないが、リウマチを発症した場合に備えて本を読んで知識を付けておくことにした。
リウマチ関連の本を何冊か読んでいて、おもしろい本を見つけた。ファンギゾンシロップという抗真菌剤で口を除菌するとリウマチが治ると主張する本だ。
この本で紹介されている内容は、色々と今まで自分が常識と思っていたことが実は誤りだったかもしれないというようなことが書かれている。
著者は、歯垢を顕微鏡で調べると虫歯菌もいるがカビの一種のカンジダが検出されるという。カンジダは常在菌といわれているが、実は虫歯菌ではなくカンジダが、虫歯の原因なのだという。さらにカンジダは、歯周病、リウマチ、ガン、糖尿病、鼻炎、喘息など様々な病気の原因だというのだ。(それが真実かは臨床試験を行わなければわからないことなので、本に書かれていることを鵜呑みにするのはよくないとは思う)
歯科医師である著者は、歯周病の治療にファンギゾンシロップを使用し、良好な治療実績を上げていた。偶然、リウマチ患者の歯周病をファンギゾンシロップで治療したところ、ついでにリウマチも治ってしまったのだという。著者は、ファンギゾンシロップを使用して歯磨きをするなどし除菌すれば、12か月でリウマチを緩解・その後治癒に導く治療法を発見した。
ファンギゾンシロップはほとんど消化管から吸収されないため、赤ちゃんも服用できるくらい安全な薬なのだというから、「リウマチ予備軍」と言われてしまった私も、この本を読んで早速ファンギゾンシロップを試してはみたかった。ただ、そこら辺の歯医者に行っても、口腔カンジダ症以外には処方してもらえないらしい。でもないし、個人輸入するのも気が引けたので試せずにいた。
代わりにカンジダに良いと言われるココナッツオイルで歯磨きをしてみたり、ココナッツオイルプリングをしてみたり、カンジダ除菌サプリ「カンジダサポート」や「CANDEX」を飲んだり、ビオフェルミンを飲んでみたりした。
これらの飲み始めの頃は体内にいたカンジダ菌が死ぬときに放出する毒素で1か月くらい非常に体調が悪くなった。常に生理痛のようにおなかがいたい。おならが山ほど出る。腰も痛い。なぜか胃まで痛い。仕方ないからイブを飲んでしのいでいた。
1か月を過ぎたころから体調の悪さはなくなり、3か月くらい続けたころには当初の目的だった関節の痛みはすっかり消えてしまった。リウマチだったのか何だったのかわからないけれど、治ったのでカンジダ除菌サプリの服用は終わりにした。
サプリはやめていたのだけれど、口の中のカンジダを増やしたくないからとココナッツオイルプリンぐとココナッツオイルの歯磨きは週の半分くらいはずっと続けていた。半年ほど続けたころ、舌痛症になってしまったから、それが良くなかったのかもしれないと、今は思う。ココナッツオイルは界面活性作用があり、粘膜を弱らせ側面もあるのだ。
カンジダ除菌をしようとして、口腔カンジダ症になったかもしれないという、なんとも皮肉なオチになってしまったが、元々使ってみたかったファンギゾンシロップを処方してもらえた。
ファンギゾンシロップでも、やはりダイオフ症状は出てしまい、みぞおちや下腹部痛、腰痛は1週間程度はあった。もともとのカンジダ除菌サプリをやっていなかったら、おそらくもっとひどいダイオフに見舞われたと思うので、やっておいて良かったのかもしれない。
ただ、私の舌痛症は1か月のファンギゾンシロップでは治ってくれなかった。私の闘病生活は続く。
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