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主観と客観の混同

先に立つ現存在を知らないうちに追い越している。 小説を書くという行為は主観と客観の混同によって生まれるものだと気が付かされた。 僕という現存在が、名前を変え場所を変え時間を変え生きる姿を紙面におぎゃあと原始の産声をあげる。 「おぎゃあ」に含まれる感情は言葉を持たず、与えられた世界を縦横無尽に駆け巡る。   彼らを僕は愛おしく、命の青い炎を見つめては言葉に表す。 言いたかった事や伝えたい想いは僕の主観であり、一度文字列となっていけば、綴られる物語は彼らの客観である。

    • まふまふくん。

      https://youtu.be/eq8r1ZTma08?si=ih42Q64AtFssfs0y コロナの前だったから、もう随分と昔の話。 西武ドームにまふまふくんのライブを観に行った。 当日は小雨が降っていて、灰色の空が優しかった。 左利き用のハサミで無理矢理切り取る日常と 銀色の臍の緒を命綱にしている日常と 瘡蓋の味を知らないあの日のわたしと 相愛傘で終電を待っていた僕と

      • ざっくり言うと、イエスは向こうから来ちゃった人。釈尊は此方から行っちゃった人。 だから仏教は宗教じゃなくて、哲学書。ニルヴァーナは、あるにはある。それがわかった。

        • 抽象

          辛いときやどうしようもなく虚しいとき 空を見上げてしまう。 抽象に逃げる癖は馬鹿げている。 わかってはいるのだけれど、寂しさを抽象化してしまう。 今日も溜まったメールと書類の束を燃やした。 臆病な日が溶けてしまえばいいのに。

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        主観と客観の混同

        • まふまふくん。

        • ざっくり言うと、イエスは向こうから来ちゃった人。釈尊は此方から行っちゃった人。 だから仏教は宗教じゃなくて、哲学書。ニルヴァーナは、あるにはある。それがわかった。

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        • 堕天
          131本
        • 蜂蜜
          10本
        • 体液と粘膜
          12本
        • 十三至奇譚 【怪談夜話】
          4本
        • 牡丹
          31本
        • エチカ
          1本

        記事

          くうであるから

          流るる草舟 暮れなずみ 白波揺蕩う 水平線 未々も知らず 舞う胡蝶 日々過ぎゆく 風の旋律 掬いし波は指間から溢れ 砂に消えゆく定めとて 愛せずにはいられない 愛し想いが  くうであるとして だからこそ 大事にするよ

          くうであるから

          難しいことは抜きにして、幸せになりたい。

          難しいことは抜きにして、幸せになりたい。

          ファインマン・ダイアグラム

          堕天にて、時間と空間について西村楓と宮乃鋳織が語り合っていますが、この理論について補足します。 時間を移動する方法として、楓は時間等曲率漏斗という手法を取っています。これは、水守鶫による呪術の副産物により楓の意思とは別に得てしまった能力です。ですから、作中では時間を超える理屈を違った方法論で二人は話しています。少し、というか、かなり分かりづらい内容なので、図を出しておこうと思いました。この図はファインマン・ダイアグラムといいます。 光子は、作中で蟒蛇と呼ばれている光の玉の

          ファインマン・ダイアグラム

          堕天 113

          「ところで─」  積木倒しになった本棚から、一冊を拾い、装丁の埃を払う。埃は西村の残穢の隙間から、漏れる光に照らされキラヒラと宙空を舞っていた。  頁を捲りつつも、西村の視線は緩やかに私を透過してゆく。時折見せるこの哀しげな視線が私は嫌いでは無かった。  物語を紡ぐ花は一輪では咲けない。たとえ咲いたとして、その適宜な花弁の数、その照らされた色彩、その芳醇な香り。花を花とたらしめるそれらを証明する術は花には無いのだよ。 「観測無しに、花は存在は出来ない…」私の答えに西村は

          堕天 113

          必然

          書ける日もあれば書けない日もある 意図的にそうしている訳では無いけれど 内から流れてくる泉のような場所がある 偶然、耳にした言葉、開いたページ、その日の体調 それらを拾っては歩いている。 じゃあ、それを渡したのは誰かと考える。 顔のない存在。面白い。 僕は万人受けする文章を書いてはいない。それは理解している。読み返すと、意味不明な事も多い。 それで良いと思う。 読んでくれてありがとう。 健やかな日をお過ごしください。

          微睡み

          深夜に布団の感覚だけが体に戻る 夢の会話が生々しく微睡んでいて 目を閉じているのか開いているのか はっきりとは分からなかった。 もしかしたら 僕は誰も知らないし 誰も僕を知らない 怖ろしく残酷で安らかな気持ちになる。

          微睡み

          秋晴

          今日は 少し陽の下にいた。 季節の継目は駆け足で過ぎる。 楽しみにしていた本が届いた。 布団の中で読みたい。

          堕天 112

           日蝕の月輪が薄茶色の廊下に斑様を描く  淡い輪郭に重なり合う楕円  水面を弾く水鳥の足元  襖を開けると、父上が居た。私は微塵も驚きはしなかった。戦死した筈の宮乃智学がそこにいる。それだけの事だった。  左腕に巻かれた舶来品の時計がカチコチと冷たい奏でを等間隔で刻んでいる。それだけの筈なのに、私は父上の形見であったその舶来品を咄嗟に隠した。    一瞥の後、父上の視線は直ぐ様、私から離れ元の位置に戻る。そこには、虚空に浮かぶ光の玉。  光の玉の中央から筒が伸び、その背に

          堕天 112

          ラミレ·コスタレリア

          熟れた果実が堕ちる 明ける日の前触れ 朝露の湿度を纏う指先 研ぎ澄まされた愛撫 抗う日常生活の原罪 端女の幸福論

          ラミレ·コスタレリア

          雨上がり

          きせつがわりに咳ひとつ 幼き日に祖母が薬を塗ってくれた 隣接する工業団地の空はいつも灰色 点滅する赤いライトが霧に滲む 黄昏に佇む人影 漆黒の渦が恐かった 名前も知らない軟膏は薄荷の香りがした 左目を手拭いで覆ってもらうと お化けは視えなくなる 家族以外には話さなかった お化けの話。 恐がりのくせに深淵を覗きたがる癖は いまでも変わらない 十三が死神と知ったのは大人になってから 隣人はいつも眠っている

          雨上がり

          鉱物としての人。

          西村楓曰く、 太陽は熱くないらしい。そもそも熱という存在自体、熱くはないそうだ。 地球上で感じる熱っていうのは、大気なり、水なり鉱物なりを媒体として発生した事象を熱と呼ばれていて、本来の熱とは全然別物だそうだ。なんとなく言っている意味はわかる。 太陽について言えば、太陽は光の集合体で振動しながら移動している。それで磁場が発生して太陽系は回転運動に回転運動を乗算している。宇宙空間には熱を媒介する物がないから、暑くはない。ただ、巨大な電子レンジの中に居るのと同じ理屈で媒体が

          鉱物としての人。

          怖い顔で語る社会の窓。

          偉い人の会議って何であんなに怖い顔なんだろ。 ポスターの笑顔から1週間もすれば しかめっつらの社会の窓。 僕が総理大臣になったら 威風堂々と居眠りしてあげる。

          怖い顔で語る社会の窓。