もう一人じゃないと生きられないのかもしれない
彼氏の家に三日以上滞在したとき、ストレスでどうにかなりそうになった。この夏はお盆に祖父母の家で従姉妹たちと2泊3日過ごしただけで、とんでもなく疲弊した。19まで住んでいた実家でさえ、精神的負荷のせいで1週間以上滞在ができない。
みんないい人たちで私の生き方も認めてくれているし、何かにうるさく口出しされるわけでもない。何かを強制されるわけでもないし、互いにひどく気を遣っているわけでもないし、みな私のことを気にかけてくれている。
ただただ、他人の家で他人と一緒に過ごすことがままならないのだ。
ここ2年あまりの期間、その大半を自宅で誰とも話さずに過ごす毎日を送ってきた。もともと多趣味でPCとゲーム機さえあれば退屈することがないから、ほとんど外に出ず家で好きなことばかりするという、まさに私からしたら理想的な、平穏で幸せな日々を送ってきたと言ってもいい。
そんな一人の日々に慣れきってしまったのだろう。この夏は彼氏ができて、友達のイベントの手伝いもして、お盆の帰省もして、たくさん人と関わったせいか疲れきってしまった。
本来私は家で孤独に、わざとふさぎ込んでいるのが好きなのだ。ニートにいちばん向いている。どうしても寂しくなって人と会いたいタイミングが来れば、その時連絡する相手だっている。とにかくここ数年の私史上、最も活動的だったこの季節は、私がまだまだ引きこもっていたいのだという事実を思い知らせてくれた。とんでもなく疲れた。もう他人のこととかどうでもいい。とにかく疲れた。休みたい。
実はいま友だちとルームシェアをしているが、毎日顔を合わせることはないし、週1,2程度しか話さない。かなりの距離感がある。だから問題なくやれているが、これがもし彼氏と同棲したらどうなるのだろうか。毎日多少の会話はするだろうし、何より彼氏と同じ屋根の下に住んでいるのに週一程度しか会話のない同棲なんてイヤだ。
思えば実家に住んでいた高校生の頃だって、引きこもっていてほとんど家族と話さない日が多かった。自分の部屋でずっとネットばかりやっていて、母親から話しかけられて苛立ちながら応答する程度だったような気がする。
こういった自身の既往歴からして、私は毎日誰かと接して暮らすのに向いていないのだろう。
すごく普通に結婚とかをして子どもを持つ人生に、あこがれがずっとある。けれどそうやって生活を他人と共にしてしまうことによって、良好だった関係が瓦解していってしまったら、「あなたは一人でしか生きられない」という烙印を押されてしまうような気がして、そんな絶望が恐ろしい。大切な人との関係を自ら壊してしまう罪悪感をずっと抱えながら生きている。だから今の彼とも少し距離感をあけて付き合っている。純心な彼を傷つけたくないのだ。もう一人になった方がいいのかもと極端な思考が離れない。やっぱり私は精神病質だから、不安の矛先が他人に向いてどうしようもなくなってしまってもひとりでいれば収拾がつく。
とりあえず、年末は毎年、祖父母の家で従姉妹と会っていたけれど、今年はもう行かなくていいかと思ってしまった。
この先ずっとひとりでも悪くないのかもしれない。どうせまた寂しくなるのだろうけど、今はとにかくひとりになりたい。とりあえず2週間くらいひとりで何もせずに生きていたい。死ぬよりマシだろ、と世の中には吐き捨てておきたい。