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自立って何?

ある方から、「支援者としての自立とは?」というお題をいただきました。
せっかくなので、改めて考えたいと思います。
“じりつ”には2つの漢字と意味があります。

「自立」とは、人に頼らずに自分で行うこと。
「自律」とは、自分を律すること。

ざっくりですが、こんな違いがあります。

お題にあった「自立」という言葉は、一般的に経済的に生活費を自分で稼ぐことに使われます。介護・福祉の現場では、介助を受けないで自分で行う状態に使われたりします。

しかし、障害の有無に関わらず、私たちは人に頼らずに自分ですべてを行うことはできません。それよりも、いかに多くの人や物、事との関係を構築し、依存を分散させるか。依存の分散、多様性の方が、「自立」に近いと思っています。それは、私の中では森の生態系のような立体的で奥深く柔軟なイメージです。

街は森のように多様な人や場、サービスが存在しています。今はWebにも街、あるいは世界が広がっています。
障害を持っているからと言って、支援者や家族だけの人間関係の中にとどまることを私はお勧めしません。なぜなら、人はいくつものコミュニティに属し、いくつもの役割を持つ方が、精神的にも肉体的にも安全に楽に生きられるからです。

コミュニティが1つに限定されてしまうと、そのコミュニティへの依存度が100%となるため、不快なことがあってもひたすら我慢したり、理不尽なことも受け入れざるをえないなどの不幸が起こりやすくなります。また、一度固定化された人間関係から解放される時間が無くなる。というのも、苦しくなることの1つです。

特に、介護を受けている人には、受援者としての立場、役割を24時間引き受けなければならないことは精神的に大きな負担となります。その人間関係、役割から解放されるためには、いつものコミュニティから離れて、時には対等な友人と飲みに行ったり、時には誰かを手助けして「ありがとう」と言われたり。様々な人間関係と役割を持つことが精神的健康と自立に必要な森林のような環境作りに直結すると考えています。

案外、軽視しがちではありますが隣近所とのお付き合いや、近くの商店とのお付き合いも大切な社会資源です。
人間関係には4種類あります。
①私は知っているけれど、相手は私を知らない関係
②私は知らないけれど、相手は私を知っている関係
③私も知っているし、相手も私を知っている関係
➃私も知らないし、相手も私を知らない関係
理想的なのは言うまでもなく③です。
もっと理想を言うなら「これなら私はあなたのためにお手伝いできます」という何かを持っていると、ご自身が楽になると思います。それはお話を聞くでもいいし、おすそわけでもいいし、惚れ惚れするような明るい挨拶でもいいと思います。

そうして、様々な人と物と事との関係を紡ぎながら、自分の人生について責任を持ちながら生きることが自立ではないかと考えています。これは障害の有無に関わらずの私の意見です。障害を持っている方についての自立をあえて言うなら「自立とは、支援者も含めて様々なサービスや社会資源を活用して、自らの人生を生き、自らの人生に責任を持つこと」だと私は考えています。

「支援者として・・」というなら、そのための支援ということでしょうか。ただし、介護保険などの制度を利用してのサービスは、制度で定められている範囲にとどまることはいうまでもありません。


家族と支援者の人間関係に閉じ込められないためにも、外出が難しい車椅子ユーザーが当たり前に外出できる社会を目指して、私たちは車椅子パートナーを展開しています。街で通りすがりの車椅子ユーザーが困っている時にお手伝いできる人、そして、困った時に自分が何に困っていて、どうして欲しいかを伝えられる車椅子ユーザーの育成セミナーを行っています。現在、緊急事態宣言で休止していますが、終了しましたらオンライン(座学)とリアル(ワーク)とを組み合わせて、密にならないように再開します。ご興味ある方は、下記よりホームページをご覧いただけます。

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青天株式会社 代表取締役社長

車椅子安全利用コンシェルジュ 久内純子 宛て

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車椅子安全利用コンシェルジュ 久内純子
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