「ほら!ちょ、ここ見てて!」なカタールW杯
今回のワールドカップ、めちゃくちゃ観ました。
小学6年生当時の日韓開催からワールドカップを観てるけど、
日本の試合以外でこんなに観たワールドカップは初めてでした。
観たかったけど睡魔に勝てなかった日は、起きてすぐAbemaのアプリを開くのがこの1ヶ月の日課で、試合後すぐに8分ぐらいにまとめてくれるハイライトは本当に助かりました。
いろんな国の試合を観れたことは素直に良かったと思ってる。
サッカーのスタイルにそれぞれ国民性が出ていると感じることが多かった。
日本はそれぞれの仕事に真面目だったし、アフリカ勢は乗ったら踊ってるように点を取るしディフェンスはいきなりザルだったり、ユーゴ圏は悲しい目でプレーし、スポーツでありながら「戦い」と「日常」に境界線をあまり感じなかった。南米は力強くパワフルだった。フランスはクラスの一軍みたいな点の取り方をしてて少し落ち込んだ。
中でも韓国の試合は面白かった。
力強いプレスとはっきりとした縦への攻撃。単純で明快で観ててワクワクし、その攻撃は対戦相手も確かに嫌がっていた。
昔の韓国はテクニックがない分、蹴ってフィジカルでなんとかしている感じだったけど、今は違った。正確なパス回しからイメージを共有し合っている、攻撃の形を感じた。ディフェンスの脆さもなく、GKは足元のテクニックもあり、さすがGK大国だった。
それはサウジアラビアにも感じ、アジアサッカーって結構強いんじゃね、枠減らさないで、と思った。
芝生のピッチ内のオープンワールドな世界での11対11の国を背負った戦いは、観ててワクワクする。同条件な戦いは基本的にチートがなく、面白い。
だから結構、格下が格上を食う試合が見れたんだと思う。
VARの存在も僕は良かったと思う。
否定的な意見の記事も読んだが、なんとなく「寂しい」みたいな感情の部分での否定だったので、個人的には全然スルーできる意見だった。
ピッチでのずるい駆け引きや、1人でエリア内でダイブしてるFWや、試合後「誤審」というワードでメディアが火をくべてる感じの方が冷めるので、はっきりVAR様に1ミリの裁きをしていただいた方が観ていてストレスがない。し、結構選手もVAR様の精度にひれ伏せてしっかり従ってる感じは、面白いなと思った。
流石にスタジアム内にある無数のVARカメラに向かって怒ってる選手はいなかった。
今回のAbemaの配信が嬉しかった。
「Number」の藤田晋さんの記事を読んで、「日本の出場危うかったのに放映権買ってくれてありがとう!」と本当に思った。
今回の大会が全部テレビだったらこんなに見てないと思う。
というかWEBだからこんなに見たのか。
試合前段のスタジオでの盛り上げは観たかったら観たらいいし、観たくなかったら観なかった。
その選べる感じが良かった。
だからどんな人がスタジオで騒いでいても気にならなかった。
そして、今回のワールドカップで話題だったのが解説だった。
本田圭佑さんの解説が特に話題になったが、僕も大好きな解説だった。
素人にもわかりやすく状況をロジカルに説明し、時に感情のみで応援する。
国際映像のリプレイ時の「ほら!ちょ、ここ見てて!」は本当に横で一緒に見てるようで言われた通り映像に見入った。
メディア嫌いな本田さんなので、皮肉ぽく逆張りなスタンスなのかな?と思ったら、非常にポジティブで選手目線の解説が気持ち良かった。
それだけにドイツ戦の前半を民放にしたことを後悔した。
今回たくさんの試合を観て、面白い解説について考えることが多かった。
というか面白くない解説についてよく考えた。
昔からサッカーの試合を観ていて、好きじゃない解説スタンスはあった。
それはやはり絶叫系・応援系がどうも苦手だった。
翌日のニュース番組の短い映像に取り上げやすいのか、当時のテレビの空気感にマッチしていたのか、一時期流行りの解説スタンスだったと思う。
皮肉を言うスタンスの大御所の横には、常に誰か絶叫応援系の解説者がいて、あまり若い人がいなかった。現役選手が解説にいるのを見るのは、あくまで自分が知ってる範囲だが、最近からだと思う。
当時から、僕はなんとなく「そんなの仕事じゃないだろ」と冷めて見ていた。(全然仕事だし、テレビ的に求められているスタンスなんだろうが)
当時からシンプルにサッカーを教えて欲しかった。
今何が起きていて、どういうことが水面下で起きようとしているのか。
そして監督と選手が何を考えてどういう心理状況なのか。
「いけぇーーー!!!!」とか「ファールだろファールゥー!!!」とかじゃなくて。
嫌味・ネガティブ解説に続き、そういうスタンスの解説が肩身が狭くなっていったのは、良かった。
あとダジャレが特徴!みたいな解説も好きじゃなかった。
そして、今回のワールドカップで自分が好んでないと感じた解説は、AIみたいな解説だった。
アナウンサーに聞かれるまで喋らない。喋ったと思ったら反応が遅く、ぼやっとした答えをしてる。
このぼやっと感が僕はすごく焦れたかった。
「そうですね、、」から10秒前のプレーをそのまま伝えてる人に
「いや観てたわ」と何度も思った。
このぼやっと感は厳しかった。主語が大きく、断定的に答えない。
「私はこう思う」じゃなく、「一般的にはこう考えられてる」とお役所的な受け答えはとにかく眠かった。時間帯も深夜だし余計眠かった。もしかしたら、本人も眠かったのだろうか。
正直、見ている側からしたら厳密にそれが合ってるかどうかはどうでも良く、その時に選手が何を考えて、ピッチ上で何が起きてて、監督の思惑を、予想して、自身の言葉で話してくれると観ていて楽しい。
なので傾向的には、現役選手や引退してすぐの人の解説の方が面白かった。
そう言うぼやっと系解説に厳しかったのは、テレ朝の寺川アナウンサーだった。
本田さんが解説する全試合の実況を担当して話題になった寺川アナ。
時に本田さん特有の言い回しをしに、視聴者代表として質問を重ねて本田さんと視聴者のチューニングを合わせていく姿は職人芸だった。それこそ1ミリを争う技だったと思う。
寺川アナは、本田さんとの試合以外でも解説をしていたが、その試合の時の寺川さんは面白かった。
完全に頭が対「本田圭佑」型のモードなので、先ほどのぼやっとした抽象的な解説にはガンガン突っ込んでいってるように僕は見えた。
僕が「いや分かんねえよ」と思うたびに聞いてくれたからかもしれないが、その姿は痛快だった。
ワールドカップが終わって1週間。
サッカーがしたくなった。
ボールを蹴りたくなった。
小学2年生から高校までしていたサッカー(ゴールキーパー)
ゴールキック、ハーフウェイラインまで余裕で届かないだろうな。
というか、助走の歩幅が全く想像つかない。
パントトとか足上がらないだろうな。筋切れるんじゃないか。
眠かった、ワールドカップ、面白かった。