数学者志望が語る、数学脳の育て方(数学書の読み進め方)
こんにちは、狂葉です。
今回は数学脳の育て方と言うことでやっていきたいと思います。
高校数学と大学数学ってどう違うの?と思われる方も多いと思いますが今回はその大学数学における数学脳の育て方について焦点を当てていきたいと思います。
今回お話しする内容というのはただ大学の授業で単位を取るためとか、数学を好きになるための勉強ではありません。
本気で数学者を目指していく人のための勉強法、というのが正しいでしょうか。
ぜひ数学に興味がある高校生にも読んでもらいたいので数学用語的なのは使わないように、誰でも読めるような記事にしていきたいと思います。
ということで早速結論に入りたいと思いますが数学脳を育てるには数学書をよく考え込んで読むことです。
教授の授業や演習をメインとした勉強ももちろん大切なのですが、一人で数学書の内容について考えることは避けて通れません。
ここで述べたいことは次の3つです。
1. 本を伏せての勉強
2. 分からなくなったら何度でも前に戻る
3. 証明で大切な定理は条件を外したり実例を作ったりしてから証明に移る
それでは順番に解説していきましょう。
1. 本を伏せての勉強
見開きページや、章の終わりが来たら次に進む前に一度本を閉じてほしいと思います。
そこで主な定義や定理がどの条件下の元で何が成り立つのか、このぐらい簡潔でも良いので一度紙に書いてみましょう。
何も、書かれていたことを暗記しながら進めという訳ではありません。
数学は努力的暗記をしなくとも理解の深さによって済ませられる学問です。
さらに数学という学問はいつどこでも思考を深めることができます。
散歩をしている時やちょっとソファーで横になっている時、
今まで勉強した部分の面白かったところや、理解が足りていないと感じるところを順序立てて頭の中で説明してみましょう。
こういったことを積み重ねる中で、数学は
「本に書かれた文字」から
「自分の頭の中で成長していくもの」へと進化していきます。
2. 分からなくなったら何度でも前に戻る
分からないということは、無論誰でも起こりうる話です。
その時に自分の頭が悪いから…なんて思わないでください。
まずは冷静にどこが分からないのか、なぜ分からないのかといことを分析してみましょう。
そして落ち着いて必要なだけ前に戻ります。
時に無理やり進めることも大切といえば大切なのですが、それよりも一度戻るということの方が大切です。
どこが分からないのかが分からないということもあるでしょう。
そういう時は思い切って一番初めの章から読み直してみることをお勧めします。
上記で説明したようにいくらじっくりと考えて理解していたとしても、初めから100%理解して進めることは難しいでしょう。
だからこそ分からないという最高の機会に以前勉強した内容に立ち返ることで
80%の理解が90%に、50%の理解が70%に、こうして少しずつ理解を進めていく中で分からなかったところの理解へとつながるのです。
他人に聞くというのも悪いことではないのですが、まずは自分なりの理解に落とし込み、自分に足りなかったところや、ある定義や定理に対する解釈が真に正しいのかどうかを確認する。
これが正しい質問であり、もっとも数学脳を成長させる方法だと考えます。
無論、単位を取るだけなら分からない所を質問するだけで良いだろう。
しかし今後大学院へ進み、研究者として数学の未知の領域に興味があるのならば、自分の思考機会を潰すことだけはしてはいけない。
単純な証明1つとっても、初めて学ぶ時だからこそ数学の知識を頭の中で育てるという勉強が可能になります。
初めて見る証明を自分で1つずつ読み解いて行く過程は、今後の研究で大いに役立つ思考回路が形成されると考えます。
修士までなら6年、博士まで行けば9年、数学者としての人生を考えれば何十年。
焦らず、自分のペースで、自分の数学を築いていきましょう。
3. 証明で大切な定理は条件を外したり実例を作ったりしてから証明に移る
数学書を読み進めていく中で重要な定理に差し掛かる場面は何度も訪れます。
そこで軽く確認だけして証明を読み進めるのではなく、まずは定理を味わい、その意義に触れることが本当に大切です。
これは難しく考えなさいということではありません。
その定理に対して、感覚的、感情的に「なるほど!そういうことか!」と受け入れられるかどうかが全てです。
条件を外すと不成立になってしまうのか、いろんな実例を作って考えてみる、
とにかく定理を味わって少しでも慣れてから証明に移るようにしてください。
証明というのは定理を自分に落とし込んでいない状態で読んでも、外観は掴めたり単位は取れるかもしれませんが、証明を論理的に追っていくことは絶対にできません。
寧ろ、意味がないとさえ言えます。
まとめ
1. 本を伏せての勉強
2. 分からなくなったら何度でも前に戻る
3. 証明で大切な定理は条件を外したり実例を作ったりしてから証明に移る
今回は数学脳を育てていくための方法、数学書の読み方を解説しました。
ということで今日もコツコツ頑張っていきましょう。