あやしい絵展 前期 (東京国立近代美術館)
前期展示は4/18までだから と、のんびり構えていたら、上村松園の「焔」の展示は4/4までと知って慌てて行ってきました!!!
東京国立近代美術館🌸
あやしい絵展!!どーーーーーーん!!!
入口の外側に、ものすごい列が出来ててびっくりした!
当日券列だそう。大人気!!!
オンライン予約していれば並ばずに入れるよ。
体温チェックとアルコール消毒をして館内へ。
今回、音声ガイドは声優の平川大輔さん。
役者さんの音声ガイドって世界観つくるの上手いから、没入感に期待✨
ということで音声ガイドを借りる。
あ、ヘッドホンだ!
最近の音声ガイドのイヤホンて耳に引っ掛けたり耳に入れたりなんか難しいの多いから、ヘッドホン簡単でありがたい←
それと、今回はほとんどの作品が撮影OKなのも嬉しいなあ。
ヘッドホンも装着して、いざ!!
最初にお迎えしてくれたのは
稲垣仲静 『猫』
この猫の声を平川さんが演じてくれて、展覧会を案内してくれるらしい🐈⬛
そしていきなり目に入るのが、、、
安本亀八 『白瀧姫』 明治28年頃
人形おおおおおおお?!?!?!
怖いっ、、、怖いからあ😱😱😱😱
あやしい 絵 展 じゃないんかーい!!!
この作品は「生人形(いきにんぎょう)」。
(、、、もうその呼び名が怖いわ😭)
生人形は、そのリアルさで見世物興行で人気を博したものだけど、この「白瀧姫」は見世物で使われたものではなくて、群馬県桐生市の織物の会社の敷地内の神社に安置されてたと。
美しいんだけどね。
佇まいが怖い。
この展覧会のプロローグに相応しいかも。
1章 幕末~明治
激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて
曾我蕭白 『美人図』江戸時代(18世紀)
「この女性の背後の蘭と着物の中国風山水の文様は、中国・楚の政治家で詩人の 屈原(くつげん) のイメージが重ねられている。
彼は事実無根の悪口から政治の世界で疎まれ、世を嘆いて川に身を投じてしまった。
このようにこの作品にはあちらこちらに恨みの念が表されている」
おお、他の知識があった方が 作品を深く楽しめるシリーズだ!!
こうして解説文に書いてくれてるとありがたい。
屈原さんを存じ上げなかったので調べてみた。
検索でヒットしたのは、何故か和菓子の虎屋さん
端午の節句に食べる粽(ちまき)のルーツやないかい😳
意外と身近でびっくり。
この女性が噛んでいるの布はボロボロで、どれだけ噛み続けたを想像するだけで女性の強い感情が伝わってくるのに、さらに屈原のエピソードを纏わせることで恨みつらみ度爆上がりだよ。すげー
「類似の図像で嫉妬の念を表す 上村松園『焔』とも ぜひ比べていただきたい。」
この二作品は、4/4まで しかも東京会場のみの展示なんだよね。
見比べられるの嬉しいな。
歌川国芳 『源頼光公舘土蜘作妖怪図』 天保14年頃
幽霊や妖怪のようなちょっと怖い浮世絵は当時人気で、作品によっては社会風刺や政治批判の要素もあるとか。
この作品も天保の改革の頃で、実は妖怪は水野忠邦であるとか、その政策のせいで江戸を追われた市川海老蔵が描かれてるとして人気だったが、政府に目をつけられると恐れた版元が絵を壊してしまった というエピソードもあるらしい。
2章 明治~大正
花開く個性とうずまく欲望のあらわれ
神話や物語に登場する異界や異形のものが 畏怖や憧れをもって描かれてる作品が並ぶ濃密空間。
2章-3 異界との境で
安珍清姫伝説
月岡芳年『和漢百物語 清姫』
【重文】村上華岳『日高河清姫図』
木村斯光『清姫』
小林古径『清姫 鐘巻』
「修行の旅の途中、一夜の宿を借りた僧・安珍はその家の娘・清姫に気に入られてしまう。安珍は、熊野詣での帰りに再び清姫のもとに立ち寄ると約束したものの、その約束を破ってしまった。怒った清姫は、怒りのあまり蛇に姿をかえて安珍を追いかける。最後には安珍が隠れた道成寺の鐘に巻きついて彼を焼き殺してしまうのだ。」
ちょっと安珍~、約束は守れし。
(別説の賢学花姫の賢学よりはまだマシ)
清姫の情念も、絵師によってこうも違うのかと。
面白いね!!
この安珍清姫伝説の後日譚が 歌舞伎の『京鹿子娘道成寺』なんだよね。
あの有名な長唄の一節「鐘にうらみは数々ござる」が脳内再生されたわー。
2章-4 表面的な「美」への抵抗
北野恒富『淀君』
大坂城落城の場面。
「かつて太閤に寵愛された美女の面影はない。」と解説されてるけど、私にはそれこそがリアルに思えた。
冬の陣夏の陣を経て、豊臣家の終焉と最愛の我が子と自分の最期と向き合う人間の姿として、とてもリアルだ。
恒富も
「いわゆる美人画は今 転換期にあるのではないか。絵に表現する美人も 必ずしもいわゆる美人ではなく、ただの女性で結構なわけで。ただ、その絵に人間の内の生命の つきあがってくるものがあれば、それで良いものだと考える。」
と言っていて、
それなっっ!!!!!!って同意したわ。
美人である前に人間だもの!!!!
2章-5 一途と狂気
北野恒富『道行』
近松門左衛門の「心中天網島」を題材にしたもの。
大坂の紙屋の主人 治兵衛と遊女 小春。
道ならぬ恋に途方に暮れ 心中を決意したふたりと、作中 死の象徴とされる烏。
この作品の手前のガラスにこの都々逸が。
島成園『おんな(旧題名・黒髪の誇り)』
これ、どうしてタイトル変えたんだろう?
島成園の 実際にはない痣を描いた自画像『無題』も展示されていて、とても心に残ったんだよなあ。(人が多くて写真撮れなかった)
痣を入れた理由とか、『無題』というタイトルにしたが故の批判とかを思うと、「旧題名」とかなんか気になっちゃうね。
上村松園『焔』は、撮影禁止でしたー。
これね!これこれ!!
嫉妬に身を焼かれる女性。
これ、目に金色が入っているそう。
(単眼鏡で見たけどはっきりはわからんかった)
嫉妬や恨みの籠る女の顔 といえば、般若の面。
その目には金色が入っている。(←確認した!入ってた入ってた!)
それを参考にして裏から金色を入れたのだと。
表情も般若みあるよね、、、、。
鏑木清方『薄雪』もよかったなあ。
撮影禁止だったけど。
雪の中で抱き合うふたりがとても美しい。
近松門左衛門の『冥途の飛脚』を題材に、歌舞伎の舞台から着想を得て描いたのだそう。
無類の芝居好きだったらしい鏑木清方。
歌舞伎座にも『桟敷』って作品飾られてたなあ。
3章 社会は変われども、人の心は変わらず
社会構造の変化により人の意識も変わっていき、それまでの道徳に対抗する意識からエログロナンセンスが流行した。
ということで、ここは大正末から昭和にかけての小説の挿絵が並んでたんだけど。
邦枝完二『絵入草子おせん』小村雪岱 挿絵
このおせんが、やたらと裸を覗き見られる。
ちょっとどーゆーことぉ?!
徳太郎と松五郎まじありえーーん💢
小村雪岱『おせん 傘』
これは好きー!
重なる傘と目線だけで物語があるの、素敵だ。
これで展示は終わりだったんだけど、
なんと音声ガイドにはボーナストラックが✨
邦枝完二『おせん』の一部を平川大輔さんが朗読してくれとるーーー!!!!!!!
しかも結構長め!たっぷり!
なんという贅沢✨
ファンの方にはたまらんのでないだろうか。
音声ガイドは、平川大輔さんが通常の解説と猫役での解説の二役でナビゲートしてくれたよ。
聴きやすくてよかったー。
後期も借りよう!
音声ガイドだけでなく、壁や展示ケースのガラスのそこここに登場する都々逸や、展示のタイトルとか、ワクワクできる要素をいっぱい散りばめてくれてる特別展だったー!
後期も楽しみ😆💕
🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛🐈⬛
常設展示も行ってきたよ。
あやしい絵展のチケットを見せて、エレベーターで4階に。
【重文】岸田劉生『道路と土手と塀(切通之写生)』
【重文】河合玉堂『行く春』
菊池芳文『小雨ふる吉野』
わあ、この桜 紙を貼ってあるんだー。
先週見てきた蕪村の『鳶鴉図』も 小さい白い紙を貼り付けて雪を表していたなあ。
奥行が出て素敵だね。
こんな場所も。
「眺めのよい部屋」 とは?!
入ってみると
こんなお部屋だったよー!
窓から見える景色も良き。
絶好の季節だね🌸🌸🌸
たしかに「眺めがよい部屋」だった!
楽しいな、東京国立近代美術館✨
と、機嫌よく帰ろうとしたら、、、
アントニー・ゴームリー『反映/思索』
また人形おおおおお!!!!😱
なんなん?!東京国立近代美術館!!
と言ってもこれは「生人形」ほど あやしくはなかった!
鏡で映ってるように見えて2体いるのね、この子。
面白いなあ✨
人形に始まり人形に終わった 初めての東京国立近代美術館でした🐈⬛🌸
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