長谷川等伯を巡る旅(2021夏・京都)
夏のはじめ、京都に行く用事ができたので、これ幸いと空いた時間に長谷川等伯の作品巡りを画策してみた!!!!
実際京都のどこに等伯の作品があるのか、
それはいつでも公開されているものなのか、
イマイチよくわからないまま
とりあえず作品を見せてくれそうなところをピックアップして 隙間時間に行けるだけ行ってみるという
長谷川等伯タイムトライアルを敢行してきたよっ!!
1. 「猿猴捉月図」 【南禅寺金地院】
拝観は予約なしでも大丈夫。
等伯の猿が観たかったら要予約 📞😃
こんちいーーーん!!!
金地院 総門
明智門
天正10年に 明智光秀が母の菩提のために
黄金千枚寄進して 大徳寺に建立。
明治初年、金地院に移建。
弁天池
蓮の花がちらほら咲いてた☺️
東照宮
京都唯一の権現造だそう
天井には探幽の「鳴き龍」が🐉
狩野探幽 筆「鳴龍」
拝殿は中に入れないので、しゃがんで覗き込むスタイルの鳴き龍🐉
欄間に掲げられた 三十六歌仙の額は 土佐光起 筆
方丈(重文)
襖絵は狩野探幽及び狩野尚信の筆
方丈内は撮影禁止🚫
ここで特別拝観のご案内をしてくれる係の方と合流。
金地院に入ってから他のお客さんにまったく会わなかったから、完全貸切状態。
なので特別拝観独り占め状態で案内していただいた!なんと贅沢な✨
まずはお庭。
鶴亀の庭園
寛永7年、小堀遠州の作。
右手の岩が鶴で、左手の岩が亀。
岩にも石にも木々にも遠くに見える山にも
全部意味があるのが、日本庭園のすごいとこだなあ。
鶴亀だけでもおめでたいのに、鶴は身篭ってる設定だった。
とにかくおめでたく作ってあるお庭だった。
そしていよいよ方丈の中へ。
まず全ての荷物をロッカーに預けて、
建物内部の壁に触れないようにとの注意事項などを聞いて、いざスタート
案内されるお部屋ひとつひとつに
普通に等伯や探幽の襖絵が襖としてある不思議さ
美術品としてではなく、ガラス越しでもなく
襖としてそこにある
、、、、、いや、贅沢すぎんか?😳
京都ってこんな感じなん????😳😳😳
長谷川等伯 筆 「猿候捉月図」
この猿が目の前に。
ふわっふわだーーー
牧谿みある 等伯の猿。
屏風は途中から絵が繋がってなくて、「猿候捉月図」と「老松図」を並べてあるらしい。
このへん、お猿さんに見蕩れてちゃんと聞き取れなかったから、また行ってちゃんと聞きたい!
同じお部屋に海北友松の屏風もあって、
「前に蔵から出てきたから見てもらったら、友松の屏風だったんですよ~☺️」と。
すごいな!!!京都!!!!
2. 「竹虎図」「楓雉子図」 【永観堂 禅林寺】
[永観堂HPより]
拝観は予約不要。
「竹虎図」などの襖絵は通常拝観で観られるよ。
えーいかんーどーーー!!!!
建物の内部は撮影禁止。
釈迦堂の「虎の間」にありました🐯💗
伝・長谷川等伯 筆 「竹虎図」 [永観堂HPより]
お部屋の中には入れないけど、角部屋なので見やすい。
東面と南面の八面の襖。
襖はガラスで保護されているものの、金が美しい✨
八面の襖には、三頭の虎と流れる水が描かれている。
襖を開けると睨み合っている2頭の虎の間を通るようになるのが面白い趣向。
狩野派の虎よりは躍動感と可愛らしさがあるのが長谷川派だそう🐅
そして「松の間」
ここのお部屋の襖がすごい!!
狩野派 「松水禽図」 [永観堂HPより]
お部屋の全八面の襖のうち、六面がこの狩野派の「松水禽図」
残りの二面は、こちら⬇️
長谷川派 「楓雉子図」 [永観堂HPより]
そう!つまり!
ライバル関係だった狩野派と長谷川派の襖が並んでるのっっ!!!!!
めくるめく因縁の襖✨
実際は長谷川派の襖は桃山時代、狩野派は江戸時代のもののようなので、同時に描かせたわけではなく、狩野派八面の襖のうち何らかの原因で二面ダメになってしまって、空いてしまったスペースに長谷川派の襖2枚を入れたという経緯が想像できる。
でも寄りにもよって狩野派と長谷川派だなんて!
永徳と等伯が知ったら憤慨しそう🤣🤣🤣
この襖も全面ガラスに保護されていて、廊下から拝見するスタイル。
長谷川等伯筆「紙本墨画波濤図」[永観堂HPより]
「伝」ではなく等伯真筆の「紙本墨画波濤図」は寺宝展のときだけの展示みたいで、今回は会えず🥲
臥龍廊
うねる階段が龍の体の中を歩くような感覚に。
かっこいいの!
かっこいい階段てなかなかないよね✨
登りきると境内を見渡せるよ
気持ちいーーーー😆
本堂・阿弥陀堂
御本尊「みかえり阿弥陀」がまつられてる本堂
堂内は撮影禁止
格天井は極彩色で、狩野探幽によるものだそう。
古いまま色褪せている部分と復元して鮮やかに蘇っている部分がある。
阿弥陀如来像(みかえり阿弥陀) [永観堂HPより]
永保2年 2月15日早朝。
阿弥陀堂に人影がうごく。夜を徹して念佛行に励んでいる僧侶がいるらしい。
東の空がしらじらとし始めた。ふっと緊張がとけた一瞬、僧は息をのんだ。自分の前に誰かがいる。それが誰か気がついて、足が止まった。
「永観、遅し」
ふりかえりざま、その方は、まっすぐ永観の眼を見つめられた。
永観堂禅林寺のご本尊は首を左にかしげ、ふりむいておられます。ほんの少し開かれたお口。穏やかな微笑み。それは遠い昔、永観律師を励まされた時のまま。阿弥陀さまの慈悲のかたちがこれほど具体的にあらわされている佛さまは例がなく、「みかえり阿弥陀」と呼ばれ、広く知られています。[永観堂パンフレットより]
「みかえり」だから、真横をむいている佛さまなんだけど、そのお顔を近くで拝見できるの!
穏やかで優しいお顔だったよー☺️🙏
永観堂禅林寺はお庭や池が有名らしいんだけど、散策する時間はなく、残念っ😭
3.「佛涅槃図」(原寸大複製) 【本法寺】
[JR東海HPより]
https://souda-kyoto.jp/event/detail/honpouji-nehanzu-spring.html
「佛涅槃図」…通常は原寸大の複製を展示しています。毎年3月14日~4月15日の期間に真筆をご拝観いただけます。[本法寺HPより]
複製でもいいから見たいぞ!
ほんぽーーじ!!
本阿弥光悦のお庭も見られるし!楽しみ、、、
ん?
ん?んんん?
😱😱😱😱😱😱😱😱😱
まさかの「休館」、、、、、
ちーーーーーーん、、、、、_(┐「﹃゚。)__
しょんぼりしていたら空を見上げるおじさんが、、、
そうだ!本法寺には等伯の銅像があるんだった!
見て!この光り輝く推し!!!!
俺はたった今絶好調になったぁぁぁ!!!
🚴♂️ーーーーーーーーーーーーーーー3
しかもそのお隣に
光悦手植えの松!!!
等伯の佛涅槃図も光悦のお庭も見られなかったけど、銅像と松が見られたから良しとしたい👍
この等伯像と同じものが生まれ故郷の石川県七尾市にもあるよね。
いつか七尾にも行ってみたいなあ。
そして本法寺には等伯のお墓もあるとのことで、お参りしてきた。
以前、池上本門寺に江戸狩野派のお墓参りをしてきたので、そんなイメージで行ったのね。
池上本門寺の江戸狩野派お墓参り編はコチラ⬇️
都心にありながら鬱蒼と茂った森の中のお墓。
池上本門寺の江戸狩野派のお墓はそんな感じだったから。
そのイメージを持って墓地へ。
そしたら、普通に檀家さんのお墓が並ぶ現代み溢れる墓地ゾーンだった。
しかも等伯のお墓はめちゃくちゃ新しかった!
イメージと違った!新しくて綺麗な墓石。
側面には久蔵の名前も。
墓誌にはしっかりと等伯の足跡が。
(狩野派の名前が2回も出てくる!)
こうしてお参りできて嬉しい。
素晴らしい作品を遺してくれてありがとうございます🙏✨
4.二条城障壁画【二条城】
二条城は等伯作品はないけど、狩野探幽の障壁画を見に来たよ。
にじょーーじょーーーーーお!
見どころいっぱいの二条城だけど、今日は目的の2箇所だけ!!!(もったいないお化けでそう!)
重要文化財の唐門をくぐって
向かうは二の丸御殿✨
二の丸御殿の中は撮影禁止
大河ドラマ「青天を衝け」でもちょうど大政奉還のあたりだったし、大広間が見られて嬉しかったー!!!
どの部屋とその用途目的に合わせて襖絵や天井絵が描かれてるのね。
これを狩野探幽率いる狩野派が仕上げたのすごいなあ。
1番のお目当てはここ!!
この展示収蔵館で
「歴史の舞台 《大広間》の対面所」を開催中。
狩野探幽 筆 「松孔雀図」
《大広間》二の間 東側の障壁画
三方がガラス張りの展示室で見上げる障壁画。
こうして間近で観ると、めちゃくちゃ大きい!!
先ほど実際の二の丸御殿を歩いて、大広間も見てきたのに、
こうして近くで見る障壁画は思ったよりずっと大きかった✨
それにしても、江戸狩野派 なのに、京都のいろんなところに探幽の名前が出てくる!
存在感すごいよ✨
5.「楓図」「桜図」「十六羅漢図屏風」「松に立葵図」【智積院】
念願の、、、、念願の智積院😭😭😭😭
ここはね、もうね、1泊しました!!!!!
宿坊智積院会館に泊まって、朝のお勤めに参加すると、お勤めのあとに境内案内をしてもらえて、楓図や桜図がある宝物庫も一般公開の時間前にじっくり見せていただけるというありがたすぎるプランがあるんだもんんんんん✨
ということで
ちしゃくいーーーん
チェックインしてお部屋に通されて、まず、、、
「桜図」のラベルのペットボトル!!!!!
久蔵おおおおおおおおおお😭🌸😭🌸😭🌸
朝のお勤めのあと、書院やお庭や収蔵庫をゆっくりご案内していただき、解散。
その後、個人的にもう一度収蔵庫へ。
(宿泊してると無料✨)
長谷川等伯筆「楓図」(複製)
長谷川久蔵筆「桜図」(複製)
長谷川等伯筆「松に立葵図」(複製)
この講堂にあった複製の本物が、こじんまりした正方形の収蔵庫の壁にぐるりと!
ガラスなど隔てるものなく!!
ナマのまんまで!!!
至近距離で!!!
観られるんですけど!!!!!!
もちろん撮影は禁止。
柵はちゃんとあって、覗き込みすぎて作品に近づいてしまうと、近づかないでねーってアナウンスが流れる。
係の人もいない無人の小さな蔵の中で、時間制限なくじっくり鑑賞できるなんて贅沢すぎた😭
しかもこの時は「松に秋草図」が京博の「京の国宝展」に出張中だったので、代わりにいつもは非公開の 没する前年の71歳時に描かれた等伯最後の現存作品である「十六羅漢図屏風」が展示されてたよ!!!!!
超レアじゃん!!!!😭😭😭😭
なんと!来年の11月30日からサントリー美術館で「智積院の名宝」展が開催予定!
素朴に並べられている智積院の収蔵庫の展示も贅沢すぎて震えちゃうけど、
展示の美しさでいつも感動させてくれるサントリー美術館がどんなふうにこの作品達を展示するのかを想像しても震えちゃうね✨
6.「松に秋草図屏風」【京の国宝 展・京都国立博物館】
智積院のお隣が京博。
智積院の寺宝である「松に秋草図」が出張中。
しかも「京の国宝」展のメインビジュアルをつとめてる✨✨
うへへ☺️
というわけで、京博での邂逅だったので、ガラス越しではありました。
が、しかし!!!!
今回は永徳と並んでの展示なのです✨✨
きゃはーー✨
狩野永徳と長谷川等伯の競演は、トーハクの特別展「桃山-天下人の100年」以来なのでは✨
厳密に言うと並んではいなくて、コの字型のコーナーに、
雪舟筆「天橋立図」
狩野永徳筆「琴棋書画図襖」
長谷川等伯筆「松に秋草図屏風」
という順番での展示だったんだけどね。
大満足🥰
「松に秋草図」は思ったより背が高かった!!
大きい!!
もともとは障壁画だったんだもんね。
それが数度火災をみまわれ、1部が失われながらも今の屏風の形式に。
こうして現存しているだけでありがたい。
火災の時に運び出してくれた方々には本当に感謝だ🙏✨
そんなこんなの夏の等伯巡り大作戦は終了したのだった!!
noteにまとめようと思いつつ、今になってしまった😅
福田美術館で開催していた「京のファンタジスタ」も行ってきたんだけど、それはまた別でいつかnoteにまとめます!(自分への宣言)
蹴上駅近のカフェ Woods さんの自家製プリン🍮
夏の京都で消耗した身体に染み渡る美味しさでした🍒
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