俺とアクアウィンド@ラグナシア
初乗車:2022年10月22日
好きなセクション:屋内パート
トロッコに乗って疾走したい!という欲望を植え付けられたのはいつだったか、地元のレンタルビデオWiLLで借りた”インディジョーンズ 魔宮の伝説”の影響が強いのかもしれない。重要なアイテム”聖なる石”を持って採掘場からトロッコで脱出するあのシーンは、なんだかピタゴラスイッチを見ているようで(※1)、何回も巻き戻しては再生を繰り返した。見返すたびに、あのトロッコに乗りてぇなあ…と、願望が蓄積されたことを覚えている(※2)。
そろそろ抑圧された社会から解放され、合法的にインディジョーンズごっこをしてもイイんじゃないか?と考えた俺は、それっぽい事を体験できるコースターを求め愛知県にあるラグナシアへと足を運んだのだった(※3)。
総合複合型レジャー施設ラグーナテンボスの一角にあるラグナシアは、港をテーマにしたテーマパークだ。初見だと絶対に読めない地名、蒲郡(かばぐん⇒がまごおり)にある施設で、関東からのアクセスもすこぶる良い。また、この手の地方パークとしてはかなり園内の造形が凝っていて、金と力の入れようが感じられる。
本日お目当てのコースターはアクアウィンドだ。ドイツGerstlauer社製のコンパクトなコースターで、マニアからの知名度も高い。富士急ハイランドの高飛車を作ったメーカーということ、また、かなりの優良コースターという前情報に否が応にもハードルは上がる。
キューラインは後ろ向き/前向き走行で二股に分かれており、自由に選択可能だった。アトラクションの背景設定もアナウンスで流されていたのだが、音量が微妙に小さいためよく分からなかったのが残念。まあこの手の設定なんぞ有って無いようなものだから、コースターが面白ければOK。
後ろ向き走行のバックドロップと通常走行が交互に運行してるせいで、待機列が短いわりに乗車するまで時間が掛かってしまった。また、車両は1両編成4人乗りなのだが、グループごとに乗車させるオペレーションをさせているため、俺のような一人で来園してるアホンダラは自動的に貸し切り乗車となる。ほんのり恥ずかしい。
安全装置はシートベルトとラップバー。あの黄色い留め具のシートベルトを見たとき、今は亡き吉野川遊園地のキャメルコースターを思い出し、懐かしい気持ちになった。
巻き上げに入ると、左にはラグナシアの凝った園内、右を見れば住宅地というなんとも不思議な光景が広がる。また、巻き上げ終盤になると急にリフト速度が上がった。最初からその速度で上げてくれれば、もっと待機列が効率よく裁けるんじゃねえのか?と思わないでもないけど。
頂上に着くとそのまま間髪入れずにファーストドロップ。いわゆるシュワルツコフドロップとなっており、左旋回をしつつ結構な角度で落下する。はっきりとした浮きは無いものの、迫力満点で好印象。さすがシュワルツコフだなぁ。
初回乗車時、そのスリルに”2006年のWBCでシャンパンファイト中にインタビューを受けるイチロー”みたいな声を出してしまった(照)。おい!上原!先輩を敬え!
ドロップすると、そのまま360度旋回しマウスパートに突入。カント角ゼロのコーナーを繰り返しながら車両は進んでいく。コーナーでは遠心力で吹っ飛ばされそうになるが、変な軋み音がしない分、チャンネルレール式マウスよりか安心感がある。マウスセクション走行中は、ギリシャ神殿のような建造物の周りをひたすらウネウネする。これがなかなかな凝った造形をしていて、ディズニーに負けず劣らずといった印象。
マウスパートが終わると螺旋降下を開始。初速が遅いせいか、そこまでGが掛かることもなくスムーズに降下する。地上スレスレまで下りた後、間髪入れずに屋内へ高速で突っ込む。屋内は殆ど前が見えないので、スリル◎。実際には螺旋状のレールを上っているだけなのだが、暗闇をトロッコで疾走するシチュエーションはまさに魔宮の伝説だ。俺、大興奮!!!!
当日、ジーパンにくたびれたブルゾンという出で立ちで乗車していたのだが、この瞬間だけは革ジャンに中折れ帽子をかぶったインディジョーンズ(の気分)だった。
屋内パートが終わると、ブレーキゾーンを経て屋外へ飛びだす。飛び出した直後に落下があるため浮きそうな挙動を見せるが、残念ながらエアタイムを感じるほどではなかった。
再び速度を取り戻した車両はヘアピンコーナーを経て最後のキャメルバックへ疾走する。ここら辺も魔宮の伝説感があって俺は好きだ。ヘアピンのカント角は70度位あるだろうか? 左座席に乗ると振り落とされそうになって面白い。
最後のキャメルバックはふんわりとした浮きが体感出来る。ただ、一人で乗ったからか、そこまで爆浮きといった感じではなかった。真夏日かつ4人乗車で真価を発揮できるのだろう。
駅舎に戻る直前ホップしてブレーキポイントに入るのだが、ここの浮きが一番エアタイムを感じられる。このホップに突っ込んだ瞬間、体が上方向にボンッと持ち上がる。キャメルバックでの上品な浮きとは性格の違うエアタイムだ。
前評判通り、期待を裏切らないコースターだった。レイアウトの起承転結が乗車していて分かりやすく、終盤までダレることなく一定以上のペースで走り続けるのが人気の秘密なのかなと思った。また、ディズニーに匹敵するような周囲の造形も、コースターへの没入感を高めることに成功している。このコンパクトさで十分な満足感を得られるコースターは中々無いと思うので、弊社は福利厚生の一環で会社の横に建設して欲しい。
注釈1
※1 最近になり改めて見返す機会があったのが、あの脱出シーンを見ると爆浮きエアタイムが多そうで、乗ってみたいコースターマニアは多いんでないかと感じる。ブロックブレーキなんぞ存在しないため、車両を停止させるときは自分の足を犠牲にするしか方法が無いのが厄介
※2 映画に出ていたトロッコに乗りたかったので、当時おもちゃ入れとして活用していたキャスターの付いたプラスチックの箱に乗って魔宮の伝説ごっこをしていた。友達が遊びに来るとその箱を押してもらい、ラジカセでレイダース・マーチを流しながら遊んでいたのだが、キャスターをゴリゴリに押し当てたせいで家の廊下のフローリングが痛んでしまい、親からガッツリ怒られてしまった。その日から我が家でジョーンズ禁止の御触れが発令されたのは言うまでもない
※3 インディごっこだけならディズニーシーのインディジョーンズアドベンチャーでイイじゃん!と言われそうだけど、あれはほら、遺跡観光ツアーに参加した我々ゲストがトラブルに巻き込まれる設定であって…