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俺と新滑空水上コースターカワセミ@東武動物公園

東武が誇るエアタイムコースター

初乗車:2023年2月4日
好きなセクション:2回目のキャメルバック

 東圏のコースターマニアが絶賛する機種の1つに、東武公のカワセミが挙げられる(※1)。キャメルバックを中心に構成された800mにも満たないコンパクトなレイアウトを、わずか1分足らずで駆け抜けるハイスピードっぷりがウケ、”コースター好きなら一度は乗っとけ”といった評判をよく聞く。自分自身なかなかカワセミに乗る機会を作れずにいたのだが、会社の福利厚生でフリーパス(ほぼ)半額券をゲットしたので、これ幸いと乗りに行ったのだった(※2)。

動物園とプール、遊園地の合体した”ハイブリッド・レジャーランド”

 れた日は土曜日と言うことで、そこそこの人で賑わっていた。ホワイトタイガーで有名な東武動物公園だが、動物には目もくれずカワセミへと向かう(※3)。

網目状の造形が、なんだか掃除してないエアコンのフィルターみたい…
駅舎からレールが空へと延びる

 ワセミはインタミン製メガライトという機種。全世界で兄弟が4機存在するが、そのうち3機は中国に設置してある。なぜかアジア圏で人気の機種だ。車両はTDCAで見慣れたサンドルと同じ、平べったく背もたれの低い座席。1回の輸送量が16人であるため、やや回転効率が悪いように思えるが、乗車時間約1分ということもあり、結構並んでいたにも関わらず待ち時間ほぼゼロだった。安全バーもサンドルと同様にシートベルト+ラップバー。アグレッシブなコース展開に対し、国産コースターではあまり見られない開放感のある車両も人気の秘訣だろう。

 やかなグリーンの車両は、由来となった水鳥のカワセミを彷彿とさせる。駅舎からチラリと見えた車庫には、もう1台のコバルトブルーの車両が停まっていた。

エメラルドカラーの車両 カッコいい

 全確認が済みベルが鳴ると、ケーブルリフトでスムーズに上昇して行く。最高部は33mあるのだが、発車からわずか15秒で頂上に到達。心の準備なんてもんは必要ねえんだよ!と言わんばかりの無慈悲さ。笑う。

巻き上げもかなり急角度
発車からここまで15秒 ロケットスタートだ

 き上げが終わると、カララ…とリフトから切り離される音が聞こえ滑空を開始する。ファーストドロップは70度近く、どの席に乗っても体がふんわりと浮くようなエアタイムを味わうことが出来る。ただ、33mという高さの為かここでの浮遊感は一瞬だ。

東ゲート付近から望むファーストドロップ
水面へ真っ逆さま

 面ギリギリまで降下すると、すぐさま右へ急旋回。カント角は90度近く、手を伸ばせば水に触れれそう。乗る前は、かなりGが掛かるんかなあ…とか思っていたが、いざ乗ってみるとそこまで強烈な感覚ではなかった。パルパル四次元の急旋回の方がキツイと思う(※4)。

ファーストからの急旋回 見た目よりか強烈じゃ無いかな…?

 回が終わると、捻りながら上昇し最初のキャメルバックへ突入する。先頭車両だと、浮くには浮くがそこまで爆浮きといった感覚ではなかったので少し拍子抜けしてしまった。最後尾付近に乗ると、ほんの少しケツが浮いたか?位の感覚。前情報として”凄いエアタイムがあるコースター”と言うことを念頭に置いていたせいか、ハードルが上がっていたのかもしれない。

一気に上昇!
捻りながら地面スレスレまで降下

 カンドドロップを抜けると、立て続けに2つ目のキャメルだ。最初の捻りキャメルと打って変わって、上半身と下半身が分離するような凄まじい浮き。誇張抜きで拳1個分くらい尻が座席から浮いている。国内でこの浮きっぷりを味わえるのは白鯨のダブルアップだろうか。サンドルのライドフォトキャメルを2倍くらい強烈にしたその浮きに、どの座席からもトムブラウン布川のような悲鳴が上がった

明らかに体が浮いているのが分かる。これは凄い!俺、大興奮!

 ャメルを下ると、左に急旋回し、細かなアップダウンを繰り返すセクションに突入していく。ここからはもう座席に腰を据えている時間の方が短いのではないか?と思うほど浮いている。レールを捻りながら細かなアップダウンを繰り返すので、強烈なマイナスGとプラスGが間髪入れずに襲う。

2回目の急旋回 相変わらず水面が近い
浮き過ぎてイっちゃうね(照)
突き上げられるようなエアタイムは白鯨を想起させる

 盤に差し掛かると、位置エネルギーも使い果たしたのか、やや大人しい動きになる。と言っても、普通に浮いてるけど。ただ、強烈な浮きと言うより、ふわ~っとした気持ちのイイ浮きだ。スチドラの最終キャメルを若干弱めにした感じ。ハンズアップする人も多く見られた。

このセクションでは脱力しながら乗ると、気持ちいい
駅舎から眺める

 2連続キャメルを超えると、池の上を左に旋回しながら最終ブレーキへと向かう。ブレーキ直前、トーゴ機のようなホップがあるのだが、速度不足からか先頭に乗っても流石に浮かなかった。惜しい。

大きく旋回しながらゴールへ
ブレーキ直前のホップ 流石に浮かない

 の浮遊感はコースターというよりフリーフォールの浮きに近いかもしれない。特に2回目のキャメルバックの爆浮きっぷりは、関東圏のコースターで一二を争う浮遊感ではないだろうか。重箱の隅を突く様で申し訳ないが難癖をつけるとするなら、水上コースターと銘打っているにもかかわらず、半分くらいコンクリの上を走るのはなんだかなあと感じたり(これもう景品表示法違反だろ)、発車からブレーキまでわずか1分という、少し物足りない乗車時間が引っかかった。ただ、あの強烈な浮きとトレードオフの関係だと言われると、まあしょうがねえなあ…と納得できるほど、優秀なコースターだと思う。


注釈
※1 マニアが重要視する項目の一つに、浮遊感(エアタイム)がある。周りの知り合いの話を総合すると、浮遊感が少ないコースターはあまり評価されない傾向にあるようだ(偏見)

※2 比較的多くの会社が加盟していると思われる、福利厚生サービスのベネフィットステーション。フリーパス5100円が2600円になった。バグか?

※3 ホワイトタイガーと言えば、プリンセス天功が飼ってるペットというイメージが強い。2023年現在、全国で35頭ほどしか飼育されていないという希少な動物だが、それを赤ちゃんの頃から飼っているというから金持ちっぷりが伺える。おい天功、俺に少し財産を分けてくれないか

※4 ツイストダイブ後の左旋回のこと。バンデットもそうだが、トーゴ機の強引な旋回はなかなかクるものがある


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