俺とスロープシューター@東山動植物園
初乗車:2023年1月
好きなセクション:無し
ジェットコースターと聞いて想像するモノはどのような乗り物だろうか? 鉄製のレール、いくつかの連結された車両、そして自由落下する乗り物というのが共通認識で挙げられるだろうか。しかし今回取り上げるスロープシューターは、コースターの枠組みに捕らわれない何とも不思議な機種だ(※1)。
問題のスロープシューターがあるのは愛知県の東山動植物園。ゴリラのシャバーニ君で有名な動物園だが(※2)、その傍らに小さな遊園地も併設されている。
昭和36年10月にオープンしたスロープシューター。西暦で言えば1961年になるが、エルヴィス・プレスリーやベン・E・キングは現役バリバリだったし、ソ連が有人宇宙飛行に成功した年だ。バチクソ古い。ちなみに日本最古のジェットコースターは1953年オープンの浅草花やしき”ローラーコースター”なので、スロープシューターは現存2番目に古いコースターにあたる。
車両は4人乗りで、いわゆるボブスレー乗り。走行レーンはアスファルトで舗装された道だ。ジェットコースターというより、サマーボブスレーに近い。ゴムタイヤが4つ付いており、保母さんが押してる園児カートみたいな雰囲気だ。まあ、おれは一人で悲しく乗車ってワケよ。ガハハ。係員の手押しで押し出されると、すぐさま巻き上げ。真横に階段があり、遊園地エリアへの直通路となっているからか、注目度抜群。子供の乗るシューターを親御さんが撮影する風景をよく見かけた。あ、こいつ一人で乗ってるな、みたいな視線を向けないで。
巻き上げチェーンが引っかかる瞬間、かなりの衝撃を受けるので身構えていた方が吉。スロープシューターで乗車中、一番驚いたのがここだった。背骨に響く。
巻き上げが終わると、いよいよ位置エネルギーを使った滑走が始まる。コース全体のレイアウトとしては、日光いろは坂を真上から見たような感じ。ヘアピンコーナーが来るたびに体が遠心力で揺さぶられる。地面との距離が近いからか、思った以上にスピード感があって面白い。気分は小柏カイか(※3)。
コース中盤、車両が再加速するポイントがあるのだが、その直後の左コーナーがわき腹にクる。意外と強めの遠心力だ。
コース終盤までウネウネと降下すると、最後のストレート。位置エネルギーも使い果たしているのか、かなりのんびりとした徐行運転だ。駅舎には係員のおじさんが待ち構える。ゴール手前にタイヤブレーキらしきものが見えたので、摩擦力で止まるのかと思ったら、ちょっと減速しただけで最終的にはおじさんの人力で停車した。ザ・ローテク
ひたすらヘアピンカーブを繰り返すレイアウトはマウス系コースターの始祖のように感じる。小さな子供向けかと思いきや、やや強めの横Gを感じる場面もあり、意外性もあった。たまには年季が入った遊具が醸し出すレトロ感に思いを馳せてみるのもアリかもしれない。
注釈
※1 RCDBはスロープシューターをジェットコースターだと主張している
※2 残念ながらこの日はシャバーニ君を観察することはできなかった。仕方ないので、俺に肛門を見せつけてくるワオキツネザルと記念写真を撮った
※3 頭文字Dに出てくるMR2乗りの兄ちゃん。いろは坂のバトルで”インベタの更にイン”とかいうショックアブソーバーが逝きそうな技を披露していた