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俺とヴィーナスGP@姫路セントラルパーク
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初乗車:2022年7月16日
好きなセクション:ピット
2022年7月16日、姫路セントラルパークに新しい大型ローラーコースターが導入された。塗装されたばかりの緑のレールに、ピンクを基調とした派手な車両。大型垂直ループとトリッキーな水平ループで構成されるダイナミックなレイアウトは見るものを惹きつける。今回はこのヴィーナスGPのオープニングイベントへ参加した時の思い出を書こうと思う。
スペースワールド閉園後、設置されていた数多くの遊具は海外へ売却、もしくは廃棄されたりしまったのだが、このヴィーナスGPは解体され北海道のルスツリゾートへ運ばれていた。ルスツで復活するのかと思いきや、なんやかんやあったようで2019年ごろ姫センへ移設され、2021年の年末にようやく再始動のための工事が着工したのだった。福岡から北海道、そして兵庫と、日本を縦断したヴィーナスGP。一時期はそのまま廃棄されるのではないかと噂されたが、2022年7月再オープンとなった。
また、再始動に際して名称が変更されるのではないか?とも噂されたのだが、そのままスペワ時代を引き継ぎヴィーナスGPとして営業が決定した(※1)。
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オープン1ヶ月を切った頃、姫セン公式Twitterアカウントにて“ヴィーナスGPファーストライド”なるイベントが告知された。先着応募者限定でオープン初日の初回乗車に乗ることが出来るレアなイベントだ。このヴィーナスGP、工事中からコースターマニアそしてスペワファンの間でかなりの盛り上がりを見せており、このチケットも争奪戦になると勝手に思っていたのだが、あっさりと確保。流石姫センだなぁ…(※2)。
イベント当日、始発の新幹線で姫路に行くとイベントの集合時間に間に合わないことが発覚。前日入りで姫路に乗り込むことにした俺は、15日の夕方、新横浜駅に降り立った(※3)。3連休前日ということ指定席とグリーン車は満席。また、この日東海道線一部区間でゲリラ豪雨の直撃を受けており、大幅なダイヤの乱れも発生。自由席ももちろん満席で、姫路まで立ちっぱなしとなった。最悪だ。
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カプセルホテルで一泊後、バス停に向かう。この日は姫路駅前から姫センへの送迎バスが出ており、バス発車30分前だと言うのに既にファーストライド参加者と思われる人達で一杯だった。車内ではスペワの思い出やマニアックなコースター談義で盛り上がる。コースターマニア・愛好家というのは、なかなか実生活でお見掛けしない人種であるが故、このようなイベントで集まると知り合い顔見知り関係なく盛り上がれるのが楽しい(※4)。
バスに揺られること約20分、一番古株の”ジェットコースター”という名称のコースターが見えてきた。『ヴィーナスや!』誰かが叫ぶ。駐車場からチラリと見えるチェッカーフラッグ模様に釘付けになる。
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入園口で今日のファーストライドチケットを貰う。ファーストライド参加者用のゲートと一般入園ゲートは別れていたのだが、連休中ということもあり既に大勢のお客さんで賑わっていた。さすが、大型コースターのオープン日といった雰囲気の中、突然園内が騒がしくなる。なんと、マーチングバンドによる演奏とチアガールによる演目が始まった! 姫セン、本気だ。
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イベント参加者達による先行入園が始まる。ハリケーンやグレートポセイドンを横目に見ながら園内を進むと、あの大型ループが見えた。やはり実際に目の前にすると、ホントにあのスペワのヴィーナスなんだなと実感が沸く。
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スペワ時代より少し小ぶりな駅舎に着くと、早速搭乗する車両の番号が教えられる。自分の乗車するライドは6両目だ。相席での乗車だったのだが、一緒になった方はなんと元スペワクルーの方で、この日のために福岡からやってきたとの事だった。他にもこのイベントのために福岡からやってきたという人は多く、いかにスペワが地元に根付いていたかを伺わせる。また、オペレーターの方や車両メンテナンス担当者もスペワで働いていたというから驚きだ。同じ加森観光グループということで人事異動も融通が利くんだろうか。
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また、駅舎上部に備え付けられている液晶画面もスペワ時代に使用していた映像や実際に設置されていたモニターを流用しているとのこと。
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いよいよライド搭乗の時間となった。『Next Team,Please Ride On!』のアナウンスに悲鳴に近い歓声が上がる。頭上に流れる映像から察してはいたが、アナウンスまで一緒とは… よく見るとコントロールルームにラッキーとヴィッキーの姿が!めちゃくちゃスペワをリスペクトしている。お馴染みの発車前掛け声もそのままやるので、久しぶりに全力で叫んだ(※5)。
スタート後はすぐに巻き上げに入る。T-SQUAREの名曲”Truth”に激似の曲を聴きながら地上40mの高さまで到達、そのままファーストドロップだ。
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ファーストの勢いそのままにシュワルツコフカーブを描きながら目玉の垂直ループに突入。凄まじい勢いと風圧、そしてあの独特の走行音に圧倒される。セレモニー参加者からの注目を浴びなら一回転すると、すぐさま蛇行しながらライドは急上昇していく。
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勢いよくレールを駆け上った後、すぐさま方向を変え地面に掘られたピットに急降下する。スペワ時代に乗ったときはスムーズなコースターという印象を受けたのだが、姫セン版ではかなりピット通過時の振動が激しい。再施工を行ったことで、レールのつなぎ目などが微妙に異なり、乗り味に変化が生まれたのであろうか。(知らんけど)
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ピットを抜けるといよいよ水平ループが絡み合った後半戦に突入する。終盤だというのに勢いは衰えていないため、右へ左へと高速で振り回される。伸ばしたら手が届くのではないだろうかと思うほど、地面スレスレを猛スピードで通過する。FUJIYAMAのアレみたいなセクションの応酬だ(※6)。水平ループ突入時にバンデットほどの衝撃は無いけれど、それでもやはり横G強めなので体力が一気に持っていかれる。
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駅舎に戻ってくると、走行タイムが発表され当日何位の成績か発表される。1位を取るために何回も乗車する客もスペワ時代には居たらしいが、高負荷なGがかかるコースターなため、体力に余裕がある日でないと厳しいだろう。この日は合間を開けながら4回ほど乗車したのだが、5回目以降は流石に乗るとブラックアウトしそうだったので遠慮した。
明確なエアタイムは無いけれど、スピード感と横Gに比重を置いたレイアウトは流石アントン・シュワルツコフ氏が関わった作品であると言える(※7)。乗り味が若干ワイルドになってしまったが、それはそれで姫セン版の愛嬌と言うべきだろうか。とにかく、スペワが無くなってしまった今、姫センという新たな土地で第2の人生を歩んでほしい。
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注釈
※1 姫センに設置してあるハリケーンは、閉園した近鉄あやめ池遊園地にあったトルネイダーを移設したもの。今回のヴィーナスも、移設時に名称が変更されるのではないかと推測された。個人的にはレールを淡い水色に塗り替えられ”スパイラル彗星ヴィーナス”に逆戻りもあるなと、考えていた
※2 イベント募集締め切り日まで5枠くらい残っていた
※3 この日の残業をブッチして新横浜駅に行った結果、週明け大変な目にあったのだがそれは別のお話
※4 なかなか実生活で見かけない趣味だと思う
※5 オペレーターの『エネルギーチャージ、ヴィー?』の掛け声に対し、搭乗者は『ナス!』と返答する。この返答はなるべく大きな声で叫ぶことをラッキーも推奨していた。掛け声の大きさでコースターの速度が変わるのだが、多分巻き上げの速度を調整しているものと予想
※6 サーフィンコース手前にある、地面に対してレールが90度近く傾いているコーナーのこと。ゼロカントカーブの誤用が生まれたセクションとしても有名
※7 スパイラル彗星ヴィーナス開業時のCMでは”アントン・シュワルツコフ作 ひねりのヴィーナス”というキャッチコピーが使われていた。実際にシュワルツコフが関わったのはブレーキシステムの設計だとされており、コースレイアウトにどこまで関わったのか不明(ソース不足)。レイアウトの設計はヴェルナー・シュテンゲルとしている情報もあり、何がなんやら…