家の中の色
ホテルのような真っ白なタオル、色の揃ったキッチンツール、シーツや布団カバーも皆同じ色。
そんな事に憧れた事があります。
でも、我が家ではバラバラです。
お風呂のタオルも、キッチンのタオルも。
キッチンツールの鍋たちも。
シーツもかけ布団カバーも。
特に最近気になったのは、鍋の色です。
カラフルで売っているルクルーゼの鍋を4つ夫からのプレゼントで持っているのですが。
見事にバラバラです。
なぜ、こんなにバラバラな色を買ったのか聞いてみたら「全色欲しいかと思って」と、言われました。
私は色を揃えたくなり、モヤモヤしました。
お金をかけてもいいから、色を揃えたくなりました。
もう、思いつめて鍋の買取にまで電話をかけました。
しかし、ふと
鍋なんて、所詮バラバラ。
鉄鍋もあれば、アルミ鍋もあるし。
蒸し器だって土鍋だってある。
そう思ったら、揃っていない事が当たり前に素敵に思えて。
まるで、バラバラな人間を見てるようで。
気づけば、鍋の買取はキャンセルしていました。
揃ってない事が、かっこ悪いとか見苦しいみたいに言われる時があります。
バラバラは素敵です。それぞれが主張しています。
家はホテルでも、お店でもありません。
揃っている必要はありません。
部屋はすくすくと、人間と一緒に育っていくようです。
バラバラなところも出てきます。
物が無いのが素敵なのではなくて、必要なものだけあるのが素敵だと思っています。
だから、バラバラな鍋も必要だから、そこにある。
バラバラなタオルも必要だから使っている。
もし、人間が「皆と揃ってないからお前はいらない」なんて、言われたら悲しいと思います。
バラバラだから補えるものがあるはず。
バラバラだからこそ必要。
もっとバラバラを自由に楽しみたい。
揃えるなんてつまらない事にお金をかける必要はない。
そんな思いで、バラバラな色の鍋たちを今日も眺めています。