泣かないよ。だって面倒くさいから。
泣くのを我慢するのには、
「後々めんどうくさくなるから」という理由がある。
そんなこと考えてるヒマがあるなら
本気で悲しんでなんかいないんじゃあないの、なんて
言われそうだが、
それは違う。
こころとからだは関係している。
体調、感情、頭の中で考えていること。
たとえそれらが共通していなくても。
◇
夜泣くことによって
次の日、顔に表れるであろう弊害を
頭の片隅におきながら
遠慮がちに泣いた。
「泣いたって何も変わらないって言われるけど、
誰だってそんなつもりで泣くんじゃないよね。」
そういえば
宇多田ヒカルがそんなこと歌っていたなあ
なんて考えながら。
翌朝は案の定、
違和感を感じた。
鏡の前に立つと
左右の目のバランスが悪い。
まあ、わかってたけどね。
火照った瞼のうえに
冷たい指先をあてる。
きもちいい。
こんな顔、
仕事があったらどうするつもり
だったんだろ。
マスクじゃ隠せないもんな。
あー無職でよかった。
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