俳句 濁り酒
盃へ夜を溶かして濁り酒
毎年 この時期ニュースになる ‘’御当地‘’の濁り酒があります。その報せは 下戸にも 季節の到来を告げてくれます。
画面の中、愉しそうに 確かめるように 盃を傾けて今年の出来を語っています。秋の風物詩です。 季語…にごりざけ どぶろく
『登高』(高きに登る) 杜甫の詩を思い浮かべています。
杜甫は 重陽の節句に 一人高台に登り
長江の雄大な景色を眺めおのれの人生を
振り返ります。
…… 年老いて もう 濁り酒も呑めない……
と、詩を詠むのです。濁酒の杯…
九月九日 重陽の節句の行事…
髪に須臾(ぐみの赤い実)を挿して
家族、友人と高台に登り 菊の花を
浮かべた酒を呑み厄払いをする(中国)
・・・・
日本では、旧暦時代 菊酒や栗ご飯を
いただき、菊の節句として親しまれてい
たようです。(これは 新暦の今も)
私の記憶では、 中学生の頃
菊まくら作り を手伝ったことを覚えて
います。(長寿を願い祖父母に贈る行事)
長らく忘れていました。
菊まくら… 菊の花びらを 干し 白い木綿の袋を縫い 中に 詰めます。香りの良い枕です。