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Audible探訪記2「熱源」川越宗一著

-命を燃やせ、抗うために-

前回↓

は芥川賞受賞作
だったので
今回は直木賞受賞作から

そう、
Audibleでは各文学賞受賞作もズラリとラインナップ(Amazonの回し者ではありませんよ、念のため。)


正直、芥川賞は基準もかなりアバウトで
ひねくれた作品が多いですが
直木賞は、
誰が読んでも楽しめるようなシンプルに面白い作品が選ばれてる気がします。

※音楽でいうジャケ買い的に
“賞買い”するならば
本屋大賞>直木賞>芥川賞
が満足度の高い作品に巡り会える確率が高いとおもいます。

「熱源」
著者:川越宗一 朗読:逢笠 恵祐

いや、大作です。

全く基礎知識なくあらすじや登場人物など下調べせず拝聴したので、
途中まで歴史ファンタジー(実在した人物は登場するが、あくまでフィクション)だと勘違いしていました。

樺太出身のアイヌ ヤヨマネクフ

リトアニア出身でロシア皇帝暗殺計画に関与したとして樺太に流刑となる ブロニスワフ・ピウスツキ

を中心にストーリーが展開していくわけですが、
この二人
一度でも名前を聞いたことがありますか?

恐らく世界中どこの歴史の教科書にも
ほとんど扱われる事のない人物達をメインキャストにしてこれだけ壮大なスケールの物語をまとめ上げた作者の技量には舌を巻くばかりです

難点、
というよりこれはごく個人的な趣味趣向になってしまいますが
文章があまりに“端正すぎる”点でしょうか

この作品の直木賞選考委員でもある
浅田次郎先生の作品を学生時分から読み漁り
「小説とはかく在るべし」と叩き込まれた私にとっては少々物足りぬ感があったのは否めないです
(※浅田先生の場合、時に感情に走りすぎてるときもありますが。)

とはいえ十分に読み応え…じゃなかった
聴き応えあります。

全国的に糞暑い日が続きますが
熱帯夜で眠れない
なんてときに
極寒を生き抜いた
人々の熱き想いに触れるというのも

また乙なもんでございます。

逢笠 恵祐さんの声もとても誠実な感じで
物語にマッチしていてとても良いですね。

作品:★★★★★★★☆☆☆
朗読:★★★★★★★★☆☆
おすすめ度:★★★★★★☆☆☆☆

自称歴史マニアに
聴かせたい度:★★★★★★★★★☆

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