
絵を描きたくても描けない大人へ。その4『年齢は関係ない!?』
質問です。
「時間は平等だと思いますか?」
どうでしょう?
その1『絵を描く時間を作る!』では《1日=24時間》という話をしました。
質問を変えます。
「生きている時間はみな平等だと思いますか?」
質問がちょっとわかりずらいかもしれませんね。さらに質問を変えます。
「20歳で亡くなったAさんと100歳で亡くなったBさん、二人の時間は平等だったでしょうか?」
どうでしょうか? 一番最初の質問と答えが変わったかたもいらっしゃるかもしれませんね。
そうです。僕らの時間は平等ではありません。

4.年齢は関係ない!?
やりたいことをやるに当たって、年齢は関係ありません。と、僕は断言します。その理由を、2つのエピソードを交えながら、お話ししていきたいと思います。
1つ目は『60歳で定年退職を迎えたCさん』のお話しです。
①60歳で定年退職を迎えたCさん
定年退職を迎える前からCさんにはある思いがありました。
「定年になったら、楽器を習いたい。昔から好きだった音楽をやりたい」
いざ、定年を迎えたとき、Cさんの頭にふと別の考えがよぎりました。
「この歳で楽器を始めてなんになる? どうせ上手くならない。やっぱり辞めよう」
それから30年後、90歳になったCさん。Cさんを後悔の念が襲います。
「なんであのとき、楽器をはじめなかったんだ!?あのとき始めていれば、楽器歴30年じゃないか!ひとに聴かせるくらいには、なっていたかもしれないのに…」
…というエピソードでした。
みなさんはどう感じたでしょうか?
Cさんは『音楽』でしたが、『絵』でも共通して同じことが言えますね。
Cさんが「やっぱり辞めよう」とあきらめてしまった理由が、みなさんはお分かりでしょうか?
Cさんの意志や思いが弱かったからではありません。
人間として当たり前の反応なのです。生存本能の働きです。脳は安定を好むと言います。環境が変わることを嫌います。新しいことを始めようとすると、それを辞めさせる言い訳を脳が作り出すのです。
ですから、みなさんが年齢を理由に踏み出せないとすれば、それは脳の働きによるものですので、みなさんの意志や思いとは無関係です。
「やってみたい」という思いは、脳や生存本能とは別の、いわば「心の声」です。
心の声より脳を優先させれば、Cさんのように取り返しのつかない後悔を覚悟しなくてはいけません。
続いて、2つ目のエピソードに参ります。これは僕の父親の話です。
②末期ガンの父
今から20年ほど前のことです。
父がステージ4の肺がんに冒されました。お医者さんからは「5年生きられるひとは数%しかいない」と聞かされました。
僕ら家族全員、父の死を覚悟していました。
ところが、ある日の定期検診の結果、ガン細胞が消えてなくなっていたことがわかりました。
お医者さんも首を傾げていたそうです。
あれから20年ほど経ちますが、ガンの再発は一度もなく、父はまだ健在です。
父自慢をしたかったわけではありません。
いつ一生を終えるのか、なんてことは誰にもわからないということをお伝えしたかったのです。
ここで、Cさんの話に戻ります。Cさんはまだ生きています。寝たきりにはなっていません。いつお迎えが来るのかは、誰にもわかりません。なら、やることはひとつだと思いませんか?
お迎えが来るまでに、お気に入りの曲をたった1曲でも弾けるようになったなら、サビだけでも弾けるようになったなら、どんなにCさんの人生は輝くでしょうか。
どんなに後悔しても失った30年は返ってきません。“今”しかないのです。Cさんだけではありません。“今何をやるか”しか、ぼくらにはないのです。
まとめ
僕らの時間は平等ではありません。
あなたが今30代でも、40代でも、50代でも、60代でも、70代でも、80代でも、明日命を落とすかもしれないし、30年以上生きるかもしれません。
いつまで生きられるか、誰にも確かなことは言えません。
確かなことは一つだけです。
人生は有限だということ。
どうせ死ぬならやりたいことやって死にたい、と僕は思うのです。
やりたいことに蓋をして生きるも人生です。
やりたいことに全力を尽くすのも人生です。
正解不正解はありません。
あなたの人生はあなただけのものです。あなたの人生の主役はあなたなのです。他人にとやかく言われる筋合いはありません。
年齢は言い訳です。言い訳は脳が作り出した戯言です。目が見えて、動かせる手指があるなら、絵は描けるのです。
絵を描くのに、年齢は関係ないのです。
さて、いかがだったでしょうか? この記事を読んで、年齢の壁を越えることができた、というかたがいらっしゃったら、こんなに嬉しいことはありません。
次回はもう1つの壁、《才能》についてお話ししていきます。タイトルは『天才にはなれません!!』です。
それではまた、次の記事でお会いしましょう(^^)