株主提案の否決は決着ではない。なぜ? (上)株主提案の賛成率の捉え方
所要時間:約7分
1. はじめに
2023年の株主総会シーズンも多数の株主提案が提出されました。その中には、バリューアクトがセブン&アイHDに対して取締役の刷新を求める株主提案を提出したり、シルチェスターが大手ゼネコンの大林組に対して、特別配当を求める株主提案を提出したりと、世間を賑わす株主提案の事例が多く見受けられました。
その多くは否決で終わり、会社側の勝利とみなされて決着がついたかのようにみえます。しかし、昨今の株式市場からの要請を踏まえると、株主提案が否決されればそれで終了というわけにはいかなくなってきています。否決したとしても、株主提案の賛成率や賛成の理由等に応じて、株主総会終了後に取締役会は何かしらの対応が求められるようになってきています。
本記事では、株主提案が否決で終わったとしても、なぜ決着ではないのか、また否決で終わっても実務ではどのようなことが行われているのか、現場で行われていることを解説していきたいと思います。
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