翻訳してくれる人がいるからこそ、海外の書籍が読める喜び
海外のドラマを見ていると、
字幕と、吹き替えで、
セリフがかなり違っていることがあり。
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訳し方によって、
登場人物の心理状態や関係性、
場面設定などの印象もかなり変わるな。
と思うことがあります。
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以前読んだ、斎藤孝さんの本に、
ハムレットの有名なセリフ
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」
の原文は、
「To be or not to be, -that is the question.」
で、生死については語っていない。
と書かれていて、
「生きるべきか、死ぬべきか…」以外にも、
複数の訳があることを初めて知りました。
(すみません、あまり文学には詳しくないので…。じゃぁ、他に何かに詳しいのかというと、特にこれといって詳しいものはありません…。)
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確かに、実用書の類ならまだしも、
文学作品は独特な表現が多いので、
翻訳する人によって、いろんな
バリエーションが生まれますよね。
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「GOD」を「神」と訳したのは、史上最大の誤訳
なんていうのを、
どこかで読んだことがありますが、
文化や宗教が違うと、
該当する言葉がなかったり、
意味が違ったり…。
翻訳って難しいですね。
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普段は、小説などの文学作品はあまり読まず、
もっぱら、実用書や、
ノンフィクション系が多いのですが、
そんな中でも、
「翻訳もの」は、あまり好きではないのです。
なんか、文章に違和感を感じるというか、
内容が入って来ない、というか。
(理解力の問題か?)
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ただ、これは、本の内容もさることながら、
翻訳も、本当に素晴らしい!と
思っている本があります。
それは…
サピエンス全史(上・下)
ホモ・デウス(上・下)
21 Lessons
大・大ベストセラーなので、
説明の必要はないと思いますが。
イスラエルの歴史学者
ユヴァル・ノア・ハラリの著書ですね。
翻訳はすべて「柴田裕之」さん。
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専門用語もたっぷりなうえに、
著者独特の、皮肉めいた表現もたっぷり。
その翻訳が、本当に素晴らしい。
特に、皮肉めいた表現の
日本語での例えや、言い回しが秀逸で、
翻訳ものだと言うことを忘れてしまいます。
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あれだけのものを、
翻訳するのに、どれだけの労力を費やしたのか。
その、翻訳のおかげで、
大変すばらしい本を
読むことができました。
著者に比べて、翻訳者というのは、
あまりクローズアップされることは
ないのかもしれませんが、
大変感謝しております。
柴田さん、ありがとうございました!
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今なら試し読み0円らしいです。
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ハムレットの他の翻訳です。
山本史郎著:翻訳の授業 東京大学最終講義(朝日新書)からの引用です。
世に在る、世に在らぬ、それが疑問じゃ。(坪内逍遥)
生か死か、それが疑問だ。(福田恆存)
行き続ける、行き続けない、 そこがむずかしいところだ。(木下順二)
このままでいいのか、いけないのか、 それが問題だ。(小田島雄志)
生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。 (河合祥一郎)