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木之下歌舞伎 三人吉三廓初買を見に行った話 その2
だいぶ時間が経ってしまいましたが、感想を書き留めておこうと、思います。
第一幕で因果や因縁がこれでもか、というほど絡みあって有名な大川端庚申塚の場にむかっていく。
そして、悲劇がおきて、、
今までこの噺を詳しく知らなかった私は大川端庚申塚の場で華やかに三人吉三が義兄弟の契りをむすび、刹那的に行動するピカレスクロマン的な噺かとおもっていたのですが、いやいやどうしてどうして。
むしろ、親の因果だったり、事の発端では子どもの彼らにはどうすることもできない事により、そう生きて行くしかなかった者たちの噺だったんだなあ、と、思いました。閉塞感というか。
それでいて彼らはどうしようもなくカッコ良いのですよね。
セリフまわしだけでなく、衣装も立ち回りもかっこいい。
途中で出てくる地獄の場の方が滑稽なくらいに明るく、現世の方がまさに地獄なのだけれど、そこを疾走して行く感じでした。
これが、いわゆる歌舞伎版の三人吉三だったらそこまでの感想を持てたかというと、ちょっとわからないな、と思えてしまうほど、木ノ下歌舞伎三人三廓初買は、良かった。
前述の通り私はNHKラジオのおしゃべりな古典教室のファンなのですが、節分の回に大川端庚申塚の場がかかり、あの夜は新年の前節分の夜だったのかーと、また理解が深まった気がしました。
とにかく面白かった木ノ下歌舞伎。またぜひ観に行きたいです。