3行日記(落としもの、路上駐車、イカ焼き)
十月六日(金)、晴れ。
夜、チャックの散歩、きょうも神社のお祭り会場に向かうと思いきや、家をでるやいなや勢いよく反対方向へ。南へ向かう。途中、下を向いて歩く夫婦とすれ違った。熱心に下を向いているので、犬の散歩かなと思ったが、見当たらない。二人とも手元に懐中電灯を握り、足元を照らしていた。何かだいじなものをなくしたのだろう。視線が鋭い。浮ついた雰囲気がまったくない。かなりだいじなもののようだ。
スーパーの脇の道端にはバイクがたくさん駐められていて、警察官が三人も集まっていた。チャックはその交差点をまっすぐ行くと思いきや、力をふり絞って綱を引いてお祭り会場に向かおうとする。しばらくいくと、駐車場の車と壁の間の細い道に入っていく。先をのぞくと、香ばしいにおいを撒き散らす、串に刺さったイカ焼きが、まるごとそのまま落ちていた。紐をぐいっと引っ張って、Uターンして家に連行した。
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