3行日記 #176(ペロ、運び先、胡麻和え)
四月二十五日(木)、晴れ
穀雨、霜止出苗、しもやみてなえいずる、霜が収まり苗代の稲が育つ。
穀雨、烏鵶営巣、うあすをいとなむ、カラスが巣をつくる。
最近また日記をサボりがちだったので、最近の出来事をつめあわせで。先週、まちを歩いていると、思わず目をひきつけられた。空色の壁にある白いドアの上に、黄色いテント生地のこぢんまりとした雨除けがついていて、そこに可愛らしいフォントで「ペロ」と書いてあったのだ。さらに、屋根からとろりと蜂蜜を垂らしたように、ファサードの右半分のほとんどが蔦で覆われている。その建物を横から見ると、愛犬の散髪屋さん、と黄色い文字で書いてあった。
昨晩のこと。以前に日記で書いたように思うが、店を閉じた小料理屋の厨房で夜な夜な何かを仕込んで、台車に載せてゴロゴロとどこかに運んでいくおじさんをたまに見かけるのだが、どこに運んでいるのか、気になっていた。そして昨晩ついに、運び先がわかったのだ。ガード下にある人気ラーメン店の仮店舗のさらに奥にある、とあるガレージのシャッターが開いており、そこの前に台車が止まっていたのだ。そのガレージの奥にある巨大な業務用冷蔵庫のなかに、おじさんが何かを収めていた。
夜、豚の生姜焼き、いんげんとスナップエンドウの胡麻和え、みかん。チャックの散歩、家をでると、例の石焼き芋の移動販売車が停まっていた。追いかけようと思ったが、チャックが角の草をはんで動かず、逆方向に向かったため離れてしまった。南へ。大きな公園をかすめてガード下から戻って帰宅した。